流行りのメンズエステに潜入! 時間ぴったりにマンションの部屋へ
最近流行りの風俗、メンズエステ。
風俗か非風俗かと聞かれると微妙だが、下半身を出してモミモミされたりすることがあれば、風俗と言って過言ではない。中央線某所にそんな人気のメンエスがあるというので行ってみることにした。
電話で予約すると、マンションのチャイムを押す時間が、何時何分まで細かく指示されたショートメールが返ってきた。
過去に数軒のメンエスに行ったことがあるが、どこも同じように指定された時間ぴったりにオートロックのチャイムを押すように指示される。
中には完全に上から目線の命令文で指示する店もあり、「サービス業とは?」と思ったが、それも、女の子ひとりが待つゆえの防犯対策のひとつなのだろうと納得することにした。
まあ、その店は無くなったが…。
マンションに向かいながらも、この地域のメンエスは特にサービスが濃厚という情報でワクワク。
指定時間より大分早く着いてしまい、ケータイのデジタルウォッチがその時間ぴったりになるまで繁華街で時間を潰して、その時分ピタリにオートロックのチャイムを押した。
太ももマッサージは永遠とも思える無駄な時間なのか?
玄関前で再びチャイムを押すと、ドアを開けてくれたのは、20代後半と思われる優しそうな若妻系だった。ナース服を着ている。
「いらしゃいませ。コースはどうしますか?」
ワンルームの部屋で小さなソファーに腰掛けると、彼女が見せてくれたメニューには、時間と料金、その他にいくつかのオプションが載っている。
そこから選んだのは、90分のVIPコースと、「一番人気」という回春マッサージのオプションだった。
ザッとシャワーを浴び、例のヨコスカパンツを履いて部屋に戻ると、照明がムーディーな感じに変わっていて、電気式の香炉では甘い香りのアロマが炊かれている。
「うつ伏せになってくださいね」
彼女の言葉に、マットレスにうつ伏せになると、まずは肩と腰のマッサージから始まった。
力もほどよく、肩、背中、腰のマッサージは気持ちイイ。
「どこから来たのか、こういった店にはよく来るのか、休日は何をしているのか」といった、定番のおしゃべりをしながら後ろ半分を揉んでくれるのだが、正直、太もものマッサージはどうでもイイ。
その、どうでもいいマッサージが一番長いのはどのメンエスでも同じだ。が、この先にはお楽しみの回春マッサージがあり、そこで濃厚なサービスを期待するのであれば、コミュニケーションを大切にし、「そこはどうでもイイから早く仰向けに」などとは、口が裂けても言ってはイケナイことは知っている。
永遠とも思える太ももマッサを受けながら、愛想よく会話をしていると、
「それじゃ、四つん這いになってください」
ナース服の彼女はそう言った。
アナルとタマのダブルの快感! 新しいプレイはメインへの序章⁉︎
仰向けかと期待していただけに意外だったが、肘と膝を着いて四つん這いになる。横に置かれた姿見には、自分の醜態が映し出され、四六のガマにでもなった気分だ(汗)。
その時、脚の付け根から下腹部に向かって、生ぬるいオイルまみれの指が這い上がって来るのを感じた。微妙にタマをかすりながらヘソ下まで手が伸び、戻っては伸びてくる。
さらに、アナルやアリの戸渡部分に指がふれると、身体全体に得も言われぬ快感が!
(これが回春マッサージなのか⁉︎)
そう思ったが違っていた。
快感で身体が硬直し、念願の仰向けにされる時にはヘトヘト状態。これからもっと気持ちイイ、あのプレイが始まるかと思うと、さっきまでの快感は序章に過ぎなかった。
ナース服の若妻系はヨコスカパンツを脱がすと、サワサワと手のひらでタマを転がし始める。敏感な部分だけに力加減に注意が必要だが、それは十分心得ている様子。
ふたつのタマを手のひらに乗せ、クルミを転がすように「クルン、クルン」と優しく揉む。さらに、片玉づつ転がしてはそけい部を撫でるを繰り返す。
これがまた気持ちイイ。
アナルの時とはまた違う、鈍痛のような快感のような、男にしかわからない「苦しみの快感」が襲ってくる。痛苦しいのになぜか股間はビンビンなのだ。
ビンビンになったサオを彼女は手と口と、ひょっとしたらアノ部分で気持ちよくフィニッシュさせてくれるはず。そう思って苦しみの快感にのたうち回る。しかし、一向にシコってくれない。
シコってくれないどころか、触れてもくれないのだ。
タマは揉むのにサオはスルー。そんな寸止めプレイが続いた時、ついに言ってしまった。
交互に襲いくるめくるめく快感と焦らしプレイからの…?
「シコシコして…」
シコシコして、フラして、その次はハメて。そう言おうと思ったとき、彼女は言った。
「ダメよ。ここは風俗店じゃないから怒られちゃうの」
へ? 風俗店じゃなくてもそういう店でしょ? ネットの掲示板は、そんな書き込みで溢れてるじゃないか。それとも、オレだけダメなのか?
そんな被害妄想みたいなことを思いつつ、タマを転がされては波打つ快感に身体をくねらせた。
「もうダメ、手でいいからお願い」
「ダメですよ~。寸止めを味わってくださいね」
文字通り、急所を握られているので強く言えないのが癪ではある。ならばと、彼女の尻でも触ろうかと手を伸ばすが、そのへんは彼女の方が一枚も二枚も上手。客の手が届かないように身体を向けているのだった。
「パパピロピロピ~~ン」
春の訪れのようなチャイムで施術は終了。結局、シコシコもフ︎ラも、もちろんハメハメもなく、発射もできず、究極の寸止めで終わってしまった。あの掲示板の書き込みはガセだったのか⁉︎
しかし、怒りより身体と脳を支配しているのは、快感と寸止めによる巨大な疲労感だった。
彼女が入れてくれたハーブティーを飲み、ひと心地ついたところでマンションの部屋をあとにした。
重い身体を引き摺り、繁華街を抜け駅に向かう。歩きながらケータイで店の掲示場で情報を確認するが、やっぱりほとんどの書き込みがフィニッシュまでできたようなことをぼやかしつつも書いている。
そのとき気づいた、店名がアルファベットだということに。同じような店名なら頭文字のアルファベットは同じ。同じ頭文字の別店だったということか…。
それにしても、発射もしていないのに、タマ揉みがこんなに気持ちいいなんて…。
酒も飲まず電車に乗り、シートに座ると身体が染み込むようだ。いつしかそのまま眠ってしまった。
カン違いで入ったメンエスで、新しい快感の世界を発見したのだった。
(写真・文/松本雷太)
執筆歴22年、風俗ライター、風俗史研究家。