希島あいりBirthday Specialライブレポート!
12月24日に誕生日を迎える希島あいりちゃん。生誕を祝うライブ「月で逢いましょう#109 希島あいりBirthday Special」が、12月19日に東京・三軒茶屋のグレープフルーツムーンで行われました!
このライブは毎年恒例のイベントで、今年はチケット発売と同時にソールドアウト! そのため、ライブ配信チケットも記録的な視聴者数を誇りました。
バックバンドには、ピアノ&コーラスの平方元さん、ギターの福田正人さん、そしてパーカッションの豊田稔さんが担当しています。
開演前、ステージに立ったあいりちゃんは「今日は頑張るぞ」と呟き、気合を入れます。照明が一斉に落ち、静かな緊張感が広がる中で、『You’re My Only Shinin’ Star』(中山美穂)をしっとりと歌い上げます。
曲が終わると、「こんばんは。本日は希島あいりバースデーワンマンライブにお越しいただき、そして配信をご覧いただきありがとうございます。なんと、本日のライブは即日完売しました。配信を含めて過去最多のチケットを販売することができ、とても嬉しく思っています」とファンへの感謝の気持ちを伝え、バックメンバーを紹介。「4人で記憶に残る最高のライブにしたいと思っているので、最後までよろしくお願いします」と決意を新たにしました。
会場を埋め尽くした観客と配信画面越しの視聴者の視線が一つになると『Desire』(オリジナル曲)をセクシーかつ挑発的に歌い、「この曲は私からのエールだけじゃなくて、みなさんからのエールをもらえる曲なので、一緒に声を出して盛り上げてくださると嬉しいです。準備はいいですか? 声を出してね!」とファンへ力強く呼びかけ、『チ・ア・フ・ル』(オリジナル曲)を笑顔で明るく熱唱。
ステージと客席が一体となるその瞬間、全てがエネルギーに変わり、空間が震えるような熱気に包まれます。続けて『Resistance』(オリジナル曲)を迫力ある声で歌い、早くも会場は最高潮を迎えます。
「次はいまの心情とリンクしているカバー曲を2曲続けて歌います。いままでファンのみなさんをはじめ、希島あいりという人物に関わってくださったスタッフのみなさんや仲間に出会って支えられて、いくつも壁を乗り越えてきました。みなさんと同じ気持ちでいられることが、すごくありがたいし、幸せだなと思っています。
きっとこれから先、もっともっとお互いがいろんな壁にぶつかると思うんですけど、その大きな壁にぶつかった時に、今日という日を少しでも思い出してほしいなっていう気持ちを込めて、この2曲をお届けします」と少し意味深なメッセージを投げかけ、『たしかなこと』(小田和正)、『炎』(LiSA)を涙をこらえながら歌い、ファンや仲間、スタッフに支えられてきた日々の想いを丁寧に紡ぎます。
ライブも中盤に差し掛かり、「次は平方元さんの曲をついに歌います!」と言うと、会場からは大きな拍手が起こり『いのちあるところ』(平方元)を文字通り熱唱! メッセージ性のある歌詞を一字一句噛みしめるように歌い、聴く者を感動させました。
曲後「いかがでしたか?」とファンに尋ねると、「すごい!」、「最高!」の熱い声援が飛び交いました。しかし、思わず「私の曲に思える? 実は私の曲なんだ」とお茶目に言い、本来のキュートな顔をのぞかせてくれました。
そして、スクリーンには新曲『幸せのカタチ』(オリジナル曲)のMVが映し出され、あいりちゃんの想いが歌詞と映像で鮮明に描かれます。フロアには無数のサイリウムが舞い、幻想的な雰囲気に包まれライブは終了。
ここで一旦ステージを去るあいりちゃんですが、アンコールを求める手拍子と声援に応えて再び登場。
「アンコールありがとうございます! 今日は楽しんでいただけましたか?」とあいりちゃんが問いかけると、観客は一斉に大きな声で応えます。
アンコールでは「制作途中ではあるんですけど、私が作詞をした新曲を初披露させていただきます! 気に入ってもらえたら嬉しいです」と言い、『悪戯(仮)』を披露。ジャズテイストの跳ねた曲を華麗に歌ってくれました。
ちなみにこの曲のアダルティな雰囲気を勉強するためにミルジェネスタッフとバーに行ったそうですが、客が誰もいなくて、ただスタッフとお酒を飲んだエピソードも披露してくれました。
そして、X(SNS)でも「3つみなさんに発表があります」と予告されていましたが、そのうちの最も重大な発表が行われる瞬間が来ました。
「私、希島あいりは2025年8月をもってAV女優を卒業することを決めました。12年間、この業界でたくさんお世話になり、数えきれないほど素晴らしい経験をして、最高の景色を見させていただきました。
もしかしたら、やろうと思えばまだ続けられたのかもしれません。でも、自分自身と向き合う中で、『十分頑張ったよね』という思いが強くなっていきました。それだけが理由ではないんですが、いろんなことが重なり、いまがタイミングなんだなと感じて卒業を決意しました。
この業界は本当に居心地が良くて、離れることがとても寂しいです。この先、もっともっとその寂しさが大きくなるだろうなとも思います。でも、こうしてみなさんに卒業を発表したいま、『私、本当に卒業するんだな』と実感しています。
デビュー前の私は、本当に自分のことが大嫌いで、なにをやっても上手くいかなくて、『なんのために生きているんだろう』とすごく悩んでいました。そんな中、自分の居場所を求めていた私が、たまたま偶然の縁でこの業界に足を踏み入れました。最初は正直、得るものよりも失うもののほうが多いんだろうなと思っていました。それでも、それを覚悟の上でこの業界に入りました。どうしても変わりたかったんです。180度人生を変えられる環境じゃないと自分は変われないと思っていました。
だから、『どうせ死ぬなら、誰かのためにいまを生きていこう』と決め、この12年間、その気持ちを持ち続けて活動してきました。誰かに笑顔を与えたり、元気を届けたり、癒しや喜びを感じてもらえたりすること。それができるようになったのは、応援してくださるファンのみなさんの存在があったからです。みなさんと出会っていなければ、こんな気持ちにはなれなかったし、生きる勇気や新しいことに挑戦しようという意欲も湧かなかったと思います。
みなさんが私を見つけて、応援して、たくさん愛してくれて、どんな時もそばにいてくれたから、私はいろんなことを乗り越えることができました。みなさんの存在は、私にとって宝物です。
これからも、もっとみなさんと楽しい思い出を作りたいですし、残りの時間を笑顔と幸せでいっぱいにしたいと思っています。来年もまだまだお会いできる機会がありますので、ぜひ会いに来てください。それまで、もう少しだけ私を必要としてくれたら嬉しいです。
今回『卒業』という言葉を選んだのは、『引退』と言うとみなさんが悲しんでしまうかなと思ったからです。『AV女優卒業』という言葉で伝えさせていただきました。『お疲れ様』だけでなく、『おめでとう』や『よく頑張ったね』と声をかけてもらえると嬉しいです。
もう一つ嬉しいお知らせがあります。2025年7月31日に、卒業ワンマンライブを開催する予定です。今日以上のパフォーマンスをお届けできるよう頑張りますし、最後の最後まで全力で取り組んでいきますので、これからもよろしくお願いいたします」
突然のAV卒業を発表。
続けて、「毎年、私の誕生日をお祝いしてくれて、生きる希望を与えてくれて、いつも私の命を輝かせてくれて、本当にありがとうございます。そんなみなさんと過ごす残りの時間を、心から大切にしたいと思っています。その願いを込めて、最後にこの曲をお届けします」と言い、『My Holy Night』(オリジナル曲)を観客一人ひとりの胸に響く歌声とともに、ライブは感動的なエンディングを迎えました。
突然の卒業発表に驚いたファンも多いと思いますが、ライブは大成功! これまでのライブも素晴らしかったのですが、それを超える希島あいり史上最高の傑作となりました。
ライブ後にあいりちゃんを直撃! 卒業を発表した心境、卒業後の進路などを聞きました。
――今回の「卒業」はいつから考えていましたか?
「半年前くらいから考えていました。半年くらい前から卒業に向けて動き出していたので、正直、ファンのみなさんと会う時は辛かったんです。みなさんと会える時間が限られちゃうなと思って、一つひとつのイベントを大切にしていました。『AV引退』って言うと、後ろ向きな感じがしますし、ファンのみなさんを悲しませちゃうなと思ったので、言い方を『卒業』っていうふうに伝えました。来年の8月1日で、ちょうどデビュー12周年なので、そのタイミングで『卒業』することを決意しました」
――今日発表したのはどうしてですか?
「本当は誕生日(12月24日)に発表しようと思ったんですけど、誕生日なのに卒業を発表すると、ファンのみなさんを悲しませるかなと思ったんです。ライブ活動はAVと同じくらい長く活動をしているし、言葉では上手く伝えられないことも、音楽を通して伝えることができるかなと思ったから、今回はこの機会を選びました」
――今回、「卒業」を決意したきっかけはなんですか?
「どこかで区切りをつけないと、永遠にAV女優をやっているのかなと思ったんです」
――永遠にやってください!
「もう体力がガクッと落ちてきたんです。撮影現場は楽しいんですけど、体力的なことで撮影現場に迷惑をかけてしまうんじゃないかという心配もあるんです。いままでおかげ様で体調を崩したことはないんですけど、自分の体は自分で守らないといけないと思ったし、自分と向き合った時、区切りかなと思ったんです」
――卒業後はAV以外の他の芸能活動は続けるんですか?
「AVの撮影は撮り終わっているので、来年の8月までは他の活動を続けていき、それ以降は正直、悩んでいるんです。まだ検討中なんです」
――「検討中」という言葉があいりちゃんらしくてファンも少し安心したと思います。
「まだまだ必要としていただけているうちは、もしかしたらその先も活動を続けるかもしれないです」
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以上、ライブ後、疲れているにもかかわらず、快くインタビューに答えてくれたあいりちゃんでした。
卒業発表はあまりにも衝撃的でしたが、ライブは盛り上がり、パフォーマンスも過去最高の状態でした。
8月以降の活動は未定ですが、焦らずゆっくりと考えてほしいと思います。それまで全力であいりちゃんを変わらず応援しましょう!
(写真・取材 神楽坂文人)