村西とおるブームが再び到来の理由
――村西さんも50億円もの借金を抱え、闇金や裏社会に追われ、命の危険もあったと。
「そうですね。でも本人いわく、借金はほぼ完済したそうです。最近は新たな市場として狙うんだと、中国14億人を相手にした構想を語ったりしています。大病したり、68歳にもなって、以前よりもだいぶ丸くなりましたけど、今回の本で改めて50時間超のインタビューをしたところ、ひと山当てるという山っ気とか、全く衰えていない。『死があってこそ、 性のたぎりがある。永遠なんてくそくらえだ』という印象的なコメントを放つんですから」
――最近は優秀な息子さんを育てた父親としても注目されています。
「子どもでカネは儲けたくないと、大手出版社や新聞社がいくら声を掛けても拒絶し続けているのも凄い。その息子はいま大学生になった。父親譲りで弁の立つ男に成長しているようです」
――「死んでしまいたいときには下をみろ。おれがいる」という言葉はいつ頃のものなのですか。
「似たようなことは事あるごとに、何度も、口にしていますよ。たくさんの悔恨や傷、借金苦で本当に血の涙を流したりしてきた半生からにじみ出てくるのでしょう」
――そうした村西とおるが再ブームというか、全盛期を知らない若い世代の関心も集めています。
「今の閉塞時代にはいない存在ですからね。資金繰りが滞るとさらに金をつかい事業を拡大したり、全身全霊で人と向き合う人間力といい、夢を語ることすらはばかられる混迷の時代へのアンチテーゼ、異物として、若い人たちには新鮮に映るのかもしれませんね。こんな男が日本にはいたんだという。称賛と嫌悪を一身に浴びて、まだその評価が固まっていない。巨大なローリングストーンは文字通り、転がり続けているんです」
(記事引用元=ズバ王)