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「死んでしまいたい時には下を見ろ! オレがいる」あの伝説のAV監督・村西とおるを最もよく知る男が語る『全裸監督』の知られざる生き様とは?!

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白ブリーフにカメラ片手でハメ撮り!! 「全裸監督」村西とおるの生き様とは!?

「人生、死んでしまいたいときには下を見ろ!おれがいる」 そんなキャッチコピーの分厚い本「全裸監督 村西とおる伝」が話題だ。40代以上には、白ブリーフ姿と「ナイスですね」などの文句が懐かしいAV監督。

「駅弁」体位に顔面シャワーを世に知らしめたエロ伝説のほか、黒木香に沙羅樹、松坂季実子ら伝説の人気女優たちを送り出したプロデューサーとして知られている。そうした当時の秘話、ジャニーズ事務所とのバトルといった騒動の真相なども盛りだくさんで、自分たちの青春物語としても読めるのだろう。面白いのは、村西監督が黒木香主演で一世風靡した代表作「SMぽいの好き」すら知らない、若い世代も本を手に取り、読んでいるという。 一体どういうことなのか。筆者の本橋信宏氏に訊いた。

  本橋信宏(もとはし のぶひろ)
1956年生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、フリーライターとして文筆活動。その後、村西とおると共にクリスタル映像、ダイヤモンド映像制作・広報のプロデューサーとなる。以後は雑誌メディアを中心に文筆活動を展開している。

 

売れる前から溢れていた破天荒ぶり

――往年のAVファンにとどまらず、多くの人を惹きつけて止まない村西とおるとは何者なのでしょうか。

「それが、この本のテーマなんですよ。前科7犯、借金50億、米国司法当局から懲役370年を求刑されたこともある一方で、長男をお受験界の最難関に合格させた教育法で注目されたりしている。自伝的映画に長蛇の列ができ、講演を開けば人が押し寄せる。村西さんがAVの帝王に君臨するまでを聞き書きした『ナイスですね』(1987)をはじめ、30年以上取材してきましたが、本を書き上げるたびに、もうこれ以上劇的な展開はないだろうと思っていると、その先にひと山もふた山も待ち受けている(笑)。やはり常人ではありません」

――村西とおるが在籍したAVメーカー、クリスタル映像、彼みずから創業したダイヤモンド映像時代の特に印象に残っているエピソードを聞かせてください。

「それこそ数え切れないありますね。たとえば、まだ村西監督本人が作品に出ていなかった本当に初期の頃、新宿の京王プラザホテルでの撮影に立ち会ったとき、新人女優に演技指導としてオナニーシーンを実演したときが忘れられない。80年代は疑似本番の時代で、女のオナニーなど人前でめったに披露しないときに、村西とおる自身が女になりきって背広の上下に革靴、髪は七三のまま大股を開いて、悶え、ベッドから転げ落ちたんです。テリー伊藤さんもそうでしたけど、カメラリハーサルから全開で、人を惹きつけるんですね。まだ売れる前で海の者とも山の者とも知れなかったけれど、あの破天荒なパワーには圧倒されました」

――社長、経営者としては仕事の鬼で、主要スタッフが6年半アパートに帰れなかったという仰天エピソードも明かされています。

「今なら超のつくブラック企業で、完全にアウトでしょうね。スタッフは会社に寝泊まりが当たり前、休日もなく、寝るのは気を失うちょっとの失神睡眠だけでしたから。ただ当時は誰も不思議には思わなかったし、AVには創世記の勢いや熱があった。オバQのようにヘアが3本出ただけで警察に捕まる時代で、村西監督は毎月警視庁の刑事たちに裏金600万円を渡し逮捕を免れてきた。応酬話法という営業トークをさらに村西流に磨き上げた話法で数え切れない女たちを脱がせ、モザイクの向こう側を視聴者に感じさせるために、隠微な音や言葉で表現して、それまでのエロの境界線を本気で乗り越えようとしていた。だからこそ村西とおるはエロにギャグ、笑いを初めて取り込み、セックスをパフォーマンスとして見せるという、本来、相容れないものを融合してしまったりできたのかも知れない。それを面白がって受け入れるメディアやファンがいたんです」

 

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