世界に名立たるニッポンの『フーゾク』は、世界で唯一進化し続けているオンリーワンの存在だ。そんな日本の風俗史を探る第六回は『デリバリー風俗』の歴史に迫る!
松本雷太のニッポン風俗史講座
第6回「デリバリー風俗の夜明け」
◯密室の願いごと…始まりは電話から
客「入っちゃいそうだよ」
嬢「大丈夫。あんまり腰動かさないでよ、ホントに入っちゃうから…。あっ、だからダメだって…」とか、
嬢「入りそうで入んないのが気持ちイイの…」
客「ほら、先っぽ入ってる。ナマだよ」 嬢「だってぇ…」とか、
客「お願い、ちょっとだけ」
嬢「ちょっとでもダメ」
客「先っぽだけだよ」
嬢「先っぽ入ったら全部と同じ…あン、ダメダメ、ダメなのにぃ」
デリヘルが急増してからベッドでこんな会話(?)が増えたのは事実です。なにせ密室で、店舗型と違って近くにコワイ店員がいるわけでもないので、密談もしやすくなるんですよね。
でも、トクをするのは客側だけじゃなく、「じゃあ、お小遣いくれる?」なんて、したたかな嬢が増えたのも事実でしょう。
風俗研究家の多々野平助氏は言う。「日本に登場した最初のデリバリー風俗は、『パンマ(売春マッサージ)』だと言われています。1950年代、パンパン(立ちんほ)狩りが頻発し、パンマへと変遷したのですが、その背景にあったのが、自動交換機型の電話が広まったことです。客から電話で依頼を受け、パンマ嬢が派遣されるという、現在のデリヘルの原型が完成したのです」
現在のデリヘルがインターネットの普及によって拡大したのと同じ構図で、60年前の風俗も拡大していたのだ。
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