酔った彼氏が元カレを恐喝!
望美さんの彼氏に対する想いはさておき、話を事件当日に戻そう。
「普段でもヤバいのに、彼はお酒に酔っていましたから、電話でナニを言い出すか分かりませんでした。携帯を渡したら面倒なことになるのは分かってましたから必死で抵抗しました。でも、〝俺に逆らうのかッ〟とビンタされて……」
そして、時刻は深夜の2時。望美さんから携帯電話を奪った彼氏は迷うことなくその医者に電話をかけ、酔っているわりには頭は働いているらしく、中国人のような片言の日本語で話し始めたとか。
「アナタノ浮気現場写真持ッテルヨ。先生ハ金モ地位モアル人ネ。ダカラバラサレタクナイ、オ金払ウ。タッタ200万円、家族、幸セ大切ネ…」
『アンタ、誰だ、こんな夜中に失礼だな。切りますよ…ガチャ』
電話を切られ激高する彼氏。その後数回かけ直すが、中々つながらなかったそうだ。しかし、何回目かにようやくつながった。
「アナタ、家族失ウヨ。私、本気ネ」
『分かった、金は用意する。どこに行けばいい?』
「イイ心ガケネ。今カラオ宅ニ行クカラ大人シク待ッテルネ……」
そして彼氏は、嫌がる望美さんをムリヤリ連れ出し、医者の開業するクリニックへ案内させ、待ち構えていた警察に囲まれることになったのだ。
痛いほどお尻の穴を拡げられて
「たぶん、一度電話を切られたときに止めておけば良かったんです。そのときに、医者の彼は録音の準備をして、警察に通報したんだと思います」
と当時を振り返る望美さん。捕まった瞬間、彼が小声で「いいか、何も話すな」と囁いたので、取り調べ室では黙秘をし続けたそうだ。
「スーツ姿の刑事さんに〝中国人のふりすんなッ、さっさと知ってること喋れッ〟と何度も怒鳴られましたが……結局は彼氏が全部白状したらしく、私も共犯扱いで留置所に入れられることになってしまったんです」
確かに、彼女自信は悪いことはしておらず、ただ彼氏の悪さを止められなかっただけ。ダメンズと付き合ったばかりに災難としか言いようがないが……。
「取調べが終わると写真を撮られ、指紋採取されました。そして、留置所に移動する間は手錠をされ、腰縄を付けられました。あぁ、逮捕されるとこういうことになるだぁ、なんて……人ごとみたいに考えてました」
そして、鉄格子に入れられる前に、彼女が入れと命じられたのは〝医療室〟。そこで数人の婦警に囲まれ、
「身体検査するから、服を脱ぎなさい」
と命じられた望美さん。
「下着も全て、全部脱ぐように言われました。たぶん、彼氏にマリファナ所持の前科があったからだと思うんですが……」
不審物を隠していないかという名目で、尻の穴から膣の中まで、覗き込むように調べられたとか。
「机にもたれてお尻を突き出すように言われて従うと、ゴム手袋をした婦警さんがお尻の穴をコレでもかってくらいに広げるんです。そしてもうひとり、やはりゴム手袋をした婦警さんがお尻の穴に指を突っ込んできました。そして、何もないと分かると今度はふたりが交代し、オマ●コの中も同じように調べられました」
彼氏のお陰で辱めを受けることになってしまった望美さん。結局、20日間の留置生活後、共犯の疑いなしと判断されて不起訴処分になり、釈放されたそうだ。
「たぶん、彼氏が全部正直に話したんだと思います。それに関しては、彼に感謝してるというか……あ、でもさすがに寄りを戻そうとは思いませんけどね(笑)」
と、恥ずかしそうに笑う望美さん。留置所に入れられた経験から2年が経ち、不起訴処分だったことで現在は支障ないOL生活を送っているそうだが……男を見る目に自信が持てず、なかなか彼氏を作ることが出来ないのが、今の悩みだそうだ。
(掲載/「実話大報」2018年2月号)