◯外国人の踊り子があわや刃傷沙汰!?
外人ストリッパーの大喧嘩も半端なかったですねぇ。異国の地で稼いで国の家族に送金している稼ぎ頭ですから、お金の管理には厳しいわけです。フィリピンのお姐さんなんて、寝る時は枕元にナイフを仕込んでいる始末。
ある日の終演後、フィリピンの踊り子さんがタガログ語で、違う楽屋のコロンビアの踊り子さんを責め立てていました。コロンビアの踊り子さんもスペイン語で応戦するのですが、いかんせん言葉が通じない者同士の大喧嘩はさっぱり訳がわかりません。
やがて双方の通訳的マネージャーが来て、お互いの言い分を聞いては伝えての繰り返し。そのうちフィリピンの踊り子さんがナイフを持ち出して切りつけようとして、マネージャー氏に止められたり。怖い怖い!
聞けばバッグからお金が抜かれていると。コロンビアの踊り子さんもやってないの一点張りで、結局、マネージャー氏が立て替えて丸く収まりました。
外人ストリッパー同士の大喧嘩は、不謹慎かも知れませんが面白いです。何せ言葉が通じないのですから。でも、口調や表情でお互いが怒りに満ちているのは一目瞭然。海外の芝居を見ているような、変な感覚に陥りました(笑)。最後は【飛び】です。昔も今も舞台人が絶対にやってはいけない行為ですね。ドタキャンですから。
昔、レズビアンペアで【マリオ&イヴ】というレズビアンチームがおりました。衣装、化粧、舞台構成まで全てが宝塚歌劇を意識した感じで、今から25年ほど前には全国の劇場から引く手あまたの人気レズビアンペアでした。
ある日のこと。マリオ姐さん(タチ役)が機嫌悪そうにイヴ姐さん(ネコ役)に、「最近舞台で声出さなくなったねぇ、あんなんじゃお客様に申し訳ないし、あたしも全然燃えないわよ。こんなんが続くんだったら、別れるしかないよ!」
それを聞いたイヴ姐さんはシクシク泣いてました。それが中日前でしたが、楽日前にとうとうイヴ姐さんは行動に移します。あと1日を残して、姿を消したのです。
普通は飛んだ踊り子さんに対しては、ギャラは支払われません。レズビアンペアは二人で一つですから当然のごとくマリオ姐さんにギャラが支払われる訳もなく、おまけに楽日のあと4回の舞台、マリオ姐さんはピンで何かの演目ができるわけもなく……。
後から聞いた話ではイヴ姐さんに男ができて駆け落ちしたとのこと。結局、マリオ&イヴのレズビアンペアはこの日で解散に。10年以上やっていたのに残念でした。また、来月もお目を拝借いたします。
昭和62年にストリップ芸人としてデビュー。以来28年間、その激動の業界を逞しく生き抜き、現在も年間200日は各地のストリップ劇場の舞台に立つ日本最後のストリップ芸人。また、ストリップ以外にも、ドラマや映画、Vシネマなどの映像作品への出演、フェティッシュ系イベントのプロデュース&司会、インターネットTVのMCなど、その活動範囲は多岐に渡る。
文=松本格子戸(記事引用元=ズバ王)