『発情物語 幼馴染はヤリ盛り』舞台挨拶レポート
ピンク映画の殿堂・上野オークラ劇場で毎月行われている舞台挨拶。12月28日に行われた『発情物語 幼馴染はヤリ盛り』の模様をレポートします。
登壇したのは川上奈々美ちゃん、辰巳ゆいちゃん、工藤翔子さん、モリマサさん、竹洞哲也監督、脚本の小松公典さん。
今年最後の舞台挨拶とあって会場は立ち見客が出るほどの超満員。
舞台挨拶前に同劇場の4代目マスコットガールのきみと歩実ちゃんとイケメン支配人による告知コーナーからスタート。
来年1月は4日(土曜日)と25日(土曜日)に舞台挨拶があると告知。4日は3月に引退する佐倉絆ちゃん、25日は演技派女優として名高い並木塔子さんらが登壇すると発表されました。新春から2回も舞台挨拶があるとはめでたいです!
そして、2020年のカレンダーも発売中。このカレンダーは何と税込みで500円! 劇場にて購入できます。
また、きみと歩実ちゃんは劇場のマスコットガールに就任し1周年ということで、お祝いのケーキが贈られ観客が祝福。「今年、マスコットガールをやりながら作品にも出ましたが、めちゃめちゃ出た感じがしないから、もっといろんな作品に出たい。女優欲が出ている。来年も元気にやっていきたいと思います」と挨拶してくれました。
めでたい話題がもうひとつ。2019年をもって惜しまれつつも終了したピンク大賞ですが、脚本家などで活躍する切通理作さんの手で「ピンク映画ベストテン(仮)」として復活。2020年5月5日には同劇場でイベントが開催予定とのこと。いまから楽しみです。
様々な告知があるのが年の瀬らしさを感じさせます。
ここからは待ちに待った舞台挨拶に。上映された『発情物語 幼馴染はヤリ盛り』は川上奈々美ちゃん3本目のピンク映画。共演した櫻井拓也さんは今年、急逝。それでも櫻井拓也さんの人柄か、明るい舞台挨拶となりました。
撮影時、櫻井拓也さんは31歳の誕生日を迎えたとのことで、「前貼りに『ハッピーバースデー』って書いてあり、その前貼りをして私と絡んだ」と思い出を語る川上奈々美ちゃん。
撮影は9月に青森県の十和田湖周辺で行われ「めちゃめちゃ寒かった。カイロまみれだった」とこれまた撮影秘話を語る川上奈々美ちゃん。
共演した辰巳ゆいちゃんはAKB48に似た衣裳を着てローカルアイドル役で出演。「この年であの衣裳を着るとは思わなかった」と苦笑しますが、アイドル衣裳は似合っていました。
このアイドル衣裳姿はR15版で川上奈々美ちゃんも着用している場面があるとのことで、R15版が上映される「OP PICTURES+」の開催がいまから楽しみです。
そして、川上奈々美ちゃんが「MOOSIC LAB 2019長編部門」で最優秀賞女優賞に見事、輝いた話題に。「今年はピンク大賞とMOOSIC LABで最優秀賞女優賞が獲れたので履歴書が大変(笑)。来年が楽しみでしょうがない。ピンク映画もいい映画に出たいです」とコメントすると会場からは大きな拍手が起こりました。
AVのみならず、ピンク映画、一般映画と快進撃が続く川上奈々美ちゃんはアダルト界の誇りです!
舞台挨拶恒例、客席からの質問で、今作出演の感想を聞かれた川上奈々美ちゃんは「(ピンク映画に)戻ってきたっていう感覚がありました。実は『サイコウノバカヤロウ』(今作のモチーフとなったピンク映画)に出たかったから、満を持して出られた」とコメント。
共演した櫻井拓也さんは“そこはかとなく童貞色”がある演技と言われていたが、川上奈々美ちゃんもそう感じたのかと聞かれると、「ああ、本物の童貞でしょ? 違うの?」と笑わせる川上奈々美ちゃん。「でも、甘いキスをしました。櫻井くんは斜めから女性を見ているので、『なんだよ? 櫻井』と思って、飲みこんでやろうという勢いでキスをしました(笑)。伝わったかどうか分かりませんけど」とコメント。これには天国の櫻井拓也さんも喜んでいると思います。
辰巳ゆいちゃんにはアイドルのコスプレをしていたが、かわいい服は好きかとの質問が。これには「アイドル役はずっとキツいなあと思いながらやっていました。5、6年前のアリスた~ず★から言っていた。さらにキツくなって、やばいなあと思っていたが、その方が面白い」とコメント。
ちなみにアリスた~ず★とは老舗AVメーカーのアリスJAPANが作ったアイドルグループで、川上奈々美ちゃんも在籍していました。
櫻井拓也さんの母親役を演じた工藤翔子さんは思い出を聞かれると「本当の親子みたいな気持ちでやっていた」とコメント。
そして、舞台挨拶の最後は「櫻井くんと一緒にいいキスができて、いい思い出になっています。来年はR15バージョンも楽しみにしていてください」と川上奈々美ちゃんが挨拶。
工藤翔子さんは「櫻井くんは逝ってしまいましたけど、劇中、髪の毛をくしゃくしゃとした感触がいまでも残っています」と挨拶。
『発情物語 幼馴染はヤリ盛り』は2020年1月2日(木曜日)まで絶賛上映中! ぜひ上野オークラ劇場に見に行きましょう。
今回、出演した川上奈々美ちゃんは舞台挨拶前の上映時、他の作品予告を食い入るように見ていた姿が印象的でした。
スケジュールの都合もありますが、自分が出た作品を見ない女優もいます。川上奈々美ちゃんは自身が出た作品はもちろん、その上映前に流れる別作品の予告まで真剣に見ているのです!
この女優魂があるからこそ、一般作品でも最優秀女優賞に繋がったのでしょう。思えば2019年の川上奈々美ちゃんの活躍はAVのみならず、様々なシーンで見られました。
世間からは偏見の目で見られがちなAV女優ですが、川上奈々美ちゃんが対世間の防波堤となり、その評価を上げているのです。彼女の目覚ましい活躍は来年以降も間違いなく続くでしょう!
今後もピンク映画の大スクリーンでその姿を多く見たい存在です。
(写真・取材 神楽坂文人)
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