川上 しかも、運営側もそれを分かってMCを変えるじゃないですか。
蒼井 そうそう。
川上 それが他のスタッフさんの目線で分かるんですよ。
蒼井 しかも、私がそう思っていることをスタッフさんに分かられるのもイヤで、「私はそう思っていません」みたいな雰囲気を出すの(笑)。ライブの時にお客さんを沸かしていても、30人もメンバーがいるから、お客さんは違う子を見るじゃない。そのお客さんの感情が分からなくて、最初は「全員、私のことを見ろ!」って思っていたの。それで精神的にきちゃってライブ中に胃が痛くなった。「もうダメです。倒れます」みたいになって、裏で休憩させてもらっていたの。
川上 それくらいパワーがあったんですね。
蒼井 リーダーができなかったとか、後ろに下げられた時とかが自分の中では本当に屈辱だった。でも、それを乗り越えて振り返るとめちゃくちゃいい経験をしたなって思った。一番じゃないとイヤだって思っていた時よりも成長できた。
――恵比寿マスカッツの話はAVよりもある意味濃いですね。少し話題を変えますか。
川上 そらさんはAVは事実上引退なんですか?
蒼井 そうなの。2011年の7月に出た作品が一番最後に出た作品。
川上 「引退作」っていうものではなかったんですね?
蒼井 その作品の撮影が3月で、4月に中国に初めて行った時にファンの方を見て、「中国に行こう」って思ったの。それで「AVを辞めます」って言葉にした感じなの。だから、2011年7月の作品が事実上最後だよね。AVは急に辞めた感じ。
川上 その形でも納得したんですか?
蒼井 うん(笑)。周りからもそういう形で辞めるって思われていたから。事務所も引退っていう形を取らない事務所だったから。だから、最後の作品って顔射モノなんだよね。最後って感覚で撮ってないから。
川上&古川 ははは(大爆笑)。
川上 引退してから海外でも活躍して、そこから結婚、出産の話をしていきたいんですが、ずっと結婚願望はありましたか?
蒼井 昔から結婚というよりも子どもが欲しかった。もっと若いお母さんになりたかったこともあって、23、4歳で結婚して子どもが欲しいって思っていたんだ。実際は36歳で結婚して、38歳で産んでるのかな。
川上 私たちにとって明るい兆しです。
古川 しかも双子ちゃんですよね?
蒼井 そう。
川上 出産や結婚って奇跡じゃないですか。
蒼井 子どもは奇跡だと思うけど、結婚は奇跡じゃない(笑)。結婚してくれる人はいるよ。
川上 子どもは欲しいよね。
古川 欲しい。
蒼井 もし結婚したら発表はするの?
川上 結婚発表はしないです。いまはそういう考えですね。でも、子どもができたら発表はしたいです。子どもはファンの人に抱いてもらいたいんです。
蒼井 どういうこと?(笑)
川上 すごい夢なんです。
蒼井 ファンとそういう関係性になっているってことよね。
川上 いろんな方はいますけど、「どういう形になっても応援はするからね」って言ってくれる常連のファンもいるから、そういう方たちには私の子どもを抱いてくれって思っているんです。
蒼井 いいね、いいね。
川上 こっちゃんは結婚や子どもに対する憧れはある?
古川 私も順番的にはそらさんと一緒で子どもが欲しいが先なんです。
川上 何歳までに欲しいとか考えてる?
古川 そらさんが完全に希望の星でしかないから、38歳までは少なからずいけると思っています。
川上 しかも双子はすごいから! 大変でしたか?
蒼井 よく産んだと思ったよ。双子はよく管理入院とかするんだけど、38週までなにもなく育ってくれたから、めちゃくちゃいい子たちだよ。ただ大変だったけどね。
川上 いま何歳ですか?
蒼井 いま2歳半。
川上 こんなことを言うのは変だけど、もし子どもが産まれたら愛を持って育てることに自信はあるんです。
古川 その自信は大事だから。疑似的ではあるけど梅子(川上の愛犬)との関係を見ると若干、想像はできるよね。
川上 そうそう。梅子の存在が大きくて、人との共存の仕方を学んだ(笑)。愛犬なのにどう接していいのか分からなくて最初は私の方が「犬見知り」していたんです(笑)。慣れるのに1年以上かかったんですけど、かみしおが中に入ってくれて、かみしおと梅子の会話を見ていて、こうやって接したらいいんだって分かったんです。お互いしたいようにしたらいいんだって。それまでは、ギュ~って抱きしめて嫌がったらどうしようってことばかり考えていました。
蒼井 人との接し方と同じだね。
川上 そうなんです。私はこうしたい、でも梅子は逃げたい。それなら「ごめんね」って言えばいいんだって勉強になりました。
――AV女優の結婚、出産話はあまり語られることがないので、語れる時期が来たらあらためて深掘りしたいですね。
>>対談後編は明日公開<<