――同時代を一緒に走り続けてきた古川さんから、川上さんに贈る言葉はありますか?
古川 ピリピリは抜けてもみぃななは結局みぃななだと思うので、ずっと意地は張り続けて意地でも楽しむと思うし、海を越えても日本でも、いい意味であなたはあなたらしくやり続けてくれると思う。今後は旦那さんになるであろう人もできるだろうから、その人の許容範囲の中でみぃなならしく生きていただければいいと思います。
川上 こっちゃん自身は今後はどう?
古川 これからも自由に生きるさ! 引退後の不安はあるけど、いま考えても無駄だと思っているし、結局、引退後もどうにかなるから。6割はそう思っているけど4割はちゃんと地盤を固めて、衣食住が安定している状態で好きなようにしていく。楽しむための投資をしていこうって感じかな。みぃななには負けるけど私も頑固だから(笑)。
川上 そこがいいの(笑)。でも、こっちゃんのことは心配になる時がある。
古川 私はあなたのことが常に心配だったけど(笑)。
川上 あはは(笑)。お互いが同じ考えかもしれない。強がるから。
古川 はい! そらさんがこれからお仕事があるから一回締めよう! 私はまだ話すから(笑)。
――そうですね。そらさん今回は貴重なお時間ありがとうございました。
(ここで3ショット撮影が入り、蒼井そらさんを見送り、川上・古川で座談会が再開)
川上 すごい。こんな形で座談会が再開した(笑)。
――川上さんは古川さんをどう見ていましたか?
川上 いまでも頑固なところが心配。
古川 頑固が見える頑固じゃなくて、自分の意識で頑固なの。だから自分でも多分、分かっているの(笑)。
川上 「。」を打ちたいって言っていたでしょ。一人で行動するにはいいけど、もう一人となにかをしようと思った時に「。」を打たれると、相手は「おう!」ってなるよね。
古川 相手との関係は「。」にはしないよ。AVを引退しても「私」という人間はいなくなるわけではないよね。「古川いおり」の仕事が終わるだけで、いままで友達だった関係を終わらせることではないよ。でも、お陰様で自分が頑固って分かるようになったから。昔は自分で頑固と分かっているけど、それすら否定するくらい頑固だったから。そういう意味では「頑固だなあ~。まあ、いいか」くらいの感覚。いい意味で「好きなことをやろうよ!」ってなってきたかな。
川上 こっちゃんは本当にブレない。でも、鎧を着けているように見えるの。
古川 着けていると思うよ。ブレないというよりも、私が壊れないために着ている。みぃななが一回、壊れたでしょ。それにならないように鎧を着ている感じ。
川上 私と恵比寿マスカッツの関係性もあったから、今日はそういう話をしたとしても根にはいかないです(笑)。
――古川さんの根ですか?
川上 2人の根っこです。2人の根っこに到達しない理由は明確です(笑)。
古川 どこかで自分をお互い守っているの。根っこまで行ったらお互いボロボロに泣いていると思うんですよいま。
川上 泣いてもいいと思う。私は泣きたい。
古川 座談会で使わないってなったら多分、泣くよ。
川上 私はいつでも行けるよ。
古川 このあと2人で行こうか。
――では、最後に聞きたいんですが、AV界40年の歴史で見ると2010年代は落ち込んだ時期なんです。その2010年代初期にデビューした2人にとって、この困難な時代を駆け抜けてどう感じましたか?
古川 2020年代に入る時期からまたAV業界は盛り上がっているじゃないですか。そのきっかけの一つは恵比寿マスカッツの第二世代だと思うんです。そこに若干ですけど携われたことは本当によかったし、女性も応援する方が増えてきて、AVを観る文化が少しずつできているこの時代に活動できていることが嬉しいです。いい意味でいろんな流れが見えて楽しいです。
川上 時代の流れを見てきてアダルト業界にいることのメリットとデメリットが明確に分かりました。分かったからこそデメリットをどう丸く柔らかく改善できるか、AVというお仕事に対して世の中からの印象が少しでもポジティブになるお手伝いができたらいいなと思いました。息苦しい環境をちょっとずつ中和していきたいです。そういう考えがどんどん明確になってきました。
古川 アダルト業界もそうだけど、そういう人がどんな業界にも増えていったらいいよね。
川上 やり方は遠回りだけど、自分の中で自分を信じてやるし、自分のためにやる。だから、みんな自分の幸せのために生きてほしい。
古川 いますごくドキュメントっぽかった(笑)。