恵比寿マスカッツの活動でプライドが粉々になり、人生が180度変わった
── そこを見いだしたのはいつ頃?
川上 あー、いつかなー。明確にでき上がったのは3年前くらいかな。
── そんなみぃななちゃんも、10年前のデビューイヤーはAVとも思わず出演してたわけだよね。将来はどうなろうと考えていたの?
川上 目的も何もなかった。
── 美容の業界で生きていこうと決めてた少女が、渋谷のスクランブル交差点で電撃スカウトされて、こっちを選んだわけだよね。
川上 あ(と思い出し)、単純に、有名になろうという気持ちだけでしたね。でもAVに出たことで、(テレビの)ゴールデンタイムに出れないのかぁみたいな。
── 一方で、いつも抜いてますっていう「ファン」の存在に気づいたのはいつ頃?
川上 それはデビューイベントをやった時ですね。ファンの方から「脱いでくれてありがとう」っていう言葉をかけてもらって、え? 脱いでくれてありがとうって何? って思って。
── AVファンの気持ちってもちろんそうでしょ。
川上 そこまで見えてなくて。デビューイベントに来てくれたファンの人が、その後のイベントに来なくなって、しばらく経ってからガリガリになっていらっしゃったんです。「僕、実は入院して死をさまよっていて、奈々美ちゃんの写真をずっと横に置いて、またイベントに会いに行くっていう目標で頑張った」って聞いて、私って救ってるんだっていうのを感じて、すごい意識が変わったんです。
── どういう変化?
川上 AVでどうしたいっていうんじゃなく、目の前にいるファンの人が、これからもAVで頑張ってほしいって思ってるから頑張ろうみたいな感じでした。それまで「AVって何?」状態でやってましたから。
── 恵比寿マスカッツの活動も、その延長線上で頑張れたということだ。
川上 そうですそうです。あそこで人生変わると思ってましたね。
── テレビにも進出したわけだよね。人生どの程度変わった?
川上 180度変わりましたね。1人でも多くの人に知ってもらって有名になるっていう目標だったので、街中でも気づかれるようになって、それによってAVも売れるようになって。
── 番組を演出したマッコイ斎藤氏との出会いは大きかった?
川上 はい。いろいろ人生経験させてもらいました。
── たとえば?
川上 私のプライドを粉々にしてくれました。
── テレビ界の人と初めて接したら戸惑うだろうね。
川上 すべて真っ白になりましたね、私の人生設計が。マッコイさんが言うには「ポジティブの押し売り」をしてたんです。AVをやっていたということもあって、無理やりポジティブな言葉を発してたんですよ。それで自分を洗脳させてて、それを33人のメンバーにも押しつけちゃってたんですよ、私が。
── 高い目標持たなきゃダメよみたいな。
川上 そう。厳しくやり過ぎてて。で、マッコイさんに呼ばれて「マスカッツはそういうグループじゃないから」っ言われて。「川上さんのハッピーの押し売りは合わないから、俺のやり方が気に入らないんだったら辞めてくれていい」って。
インタビュー後編は明日公開!
◉浅草ロック座HP