葵マリーさん連載コラム第166回!
今回は、蓬莱かすみが和とみやびを追求し続け、それを映像に残し伝えるべく作った自身のオリジナルメーカー『和とみやびの緊縛館』。その最終作品となる『和とみやびの緊縛館10』の撮影現場をレポート!
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『和とみやびの緊縛館10』
蓬莱かすみが和とみやびを追求し続け、それを映像に残し伝えるべく作った自身のオリジナルメーカー『和とみやびの緊縛館』。
誰からも支援を受けず、かすみさん本人が自分自身のお金でゆっくりゆっくり温めて世に出したメーカーで、かすみさん本人の性癖ビデオと言っても過言では無い様な気がします。と、言うのも。監督、プロデュース、出演と全てをかすみさんが1人でこなす完全に蓬莱かすみの世界ででき上がってます。
長年の月日が経ち、いよいよ『和とみやびの緊縛館』もシリーズ10番目。そんな時、かすみさんから「そろそろ終わりにしようと思います。記念すべき10作品目は私が主演します」と。何を言われようと、かすみさんが作って育てて来たメーカーだもん。私は「分かりました」としか言うしか無いよね。
和とみやびの緊縛館 Vol.10 蓬莱かすみ
そんな感じで迎えた、『和とみやびの緊縛館10』の撮影当日。このシリーズで会ういつものスタッフ達全員と挨拶を交わす。
その後ろ側で準備に勤しむかすみさん。相変わらず、あっち行ったりこっち行ったりして「あれどこだっけ?」「あれ忘れたかしら?」と大忙し。通常モードでなにより。
いつもながらの、かすみさんのおっちょこちょいに振り回されながら、色んな物を皆んなで探したりしながら和気藹々。
いつもなら縄師で出演するかすみさんだけど、今回はラスト作品って事で受け手をやる。
簡単に受け手をやると言っても、監督もプロデュースもかすみさんだから、準備、カメラマンさんへの指示、男優さんへの動き、等やらなきゃいけない事が盛り沢山で大変。
さらに、かすみさんの衣装が着物だし、もっと大変。着付けしつつ化粧しつつ髪をセットしつつ、指示出しだもんね。そりゃ色々忘れちゃうのも分かる。
そんなバタバタしてるかすみさんをスタッフ一同で遠くから見守りつつ撮影スタート。
いくつかのブロックで分かれていて、勿論オープニングシーンは普通の縛り。シーンを重ねる毎に縄も厳しくなるし、責めも厳しくなって行く。と、単純に考えると想像出来そうなもんだけど、かすみさんの脳内は人並み外れた物をお持ちなので、それなりにぶっ飛んでる。ここに書いてしまうと陳腐な感じになるから、私の語彙力無い言葉では語らないけど、どうやら私と性格が似てるみたいで1か100なんですよ。やるかやらないか。やるならとことんやる。誰にも真似出来ない位にやるって感じ。
そして今回の監督総合プロデュースがかすみさん本人な訳だから、それこそ誰にも止められない。そうなると、台本を見て「こりゃ厳しいな。出来るのかな?」と思っても本人が納得行くまでやらせるしかないんですよね。
ここまで書いて、作品の内容がどんな感じかなんとなく分かるかな?段々とハードになるステップが普通じゃ考えられない位にステップアップが早いんです。そう、物凄く早いの。
吊り1つを取ってみても、実践して来た縛りじゃなく、こうなったら良いなーを自分の身体を使って試す感じ、と思ってもらえれば良いかも知れないな。
最終的には氷柱も出て来ます。これもかすみさん本人が氷屋さんに発注し、スタジオまで運ばせた物。かなりデカい氷柱。さて、氷柱と縄と聞いて何を想像しますか?私が言える事は「かすみさんは昔から氷が大好きです」って事かな。
兎にも角にも、撮影は順調に進んでラストシーン。最後の最後にかすみさんに花束を渡すと言う重要な任務を遂行させて頂きました。
大きな会社でもなく、沢山の社員を抱えてる訳でもない、縄が大好きな1人の女性がたった1人でここまでメーカーを育てた事に尊敬しかありません。好きを伝えるって事を堂々と表現してくれました。ここまで来る間、かすみさんとは色んな場所で会って来ましたが、1つも愚痴や辛さを聞いた事がありません。そこには自分が決めた事への責任と役割をしっかりとかすみさんが感じてるからだと思ってます。そして今、『和とみやびの緊縛館』は立派なメーカーとなり、ファンも沢山増えて新作を楽しみに待ってるお客様達がいっぱいいます。それでも、そんな中でも自分の生きて来た人生の中の分岐点の1つとして、10作目でおしまい、とかすみさん自身が決めました。
今まで走り続けて来たから、時には休憩する時間も必要だと思います。その間に第1作目から10作目までを振り返ってみて、まだやり残した事が見つかるなら、また新たな和とみやび第2章を始めれば良いんじゃないかな?と思ってます。別に引退する訳じゃないしね。かすみさんが生きて来た証の中の1つとして『和とみやびの緊縛館』をしまいたいと思います。
かすみさん。10作品目まで頑張って走り抜けてくれて有難うございました。次から次へと作品を世にお送り出す姿、カッコ良かったです。同じ女性として羨ましかったです。
また新たな『和とみやびの緊縛館』で同じ景色が見る事が出来たら嬉しいです。
■『和とみやびの緊縛館』
(文・写真:葵マリー)
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和とみやびの緊縛館 Vol.10 蓬莱かすみ