「…何もないけど、いい?」
「ぜんぜん!」
「じゃあ、どうぞ。狭いとこですけど(笑)」
彼女の案内で部屋の中へ。白を基調としたリビングに、手前がお風呂、左手が子供部屋。あの扉が寝室だろうか。
急に胸が高鳴ってくる。リビングで手製のキムチチャー八ンを食べた後、僕はまたも用意してきたセリフを彼女の耳元で囁いた。
「すいません。2時間だけ寝かせてもらえませんか?」
「え?」
「僕ら朝から仕事やってるんで、このぐらいがいちばん眠くって」
「少しで良いんだったら…」
「すいません、ホント」
寝室には、コットンの青いカバーで覆われたダブルベッドが置かれていた。興奮で喉がへばりつきそうだ。僕を案内し、奥さんはそそくさと部屋を出ていこうとする。そこを迷わず後ろから抱きしめた。
「最初、見たときから好きだったんです」
「ダメよ…」
「絶対に迷惑かけたりしないから、ね、いいでしょ」
返事を待たずに、僕は奥さんに覆い被さった。
奥さんとはその後、3カ月間、続いた。終わったのは旦那にバレたからじゃない。
正直、僕が飽きたのだ。以後、僕が手をつけた主婦は都合5人。このまま続けたらもっと成果は上がりそうだが、そうもいかない。
春からは某メーカーで新入社員として働くことが決まっている。
(記事引用元=裏モノJAPAN)