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【アダルトメディアに未来はあるのか!?『アダルトメディア年鑑2024』発売記念】 AV界きってのサブカル女優(?)架乃ゆらちゃんと安田さんのアダルトメディアについてのスペシャル対談!

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本誌でもおなじみのライター・安田理央さんが制作に加わった書籍『アダルトメディア年鑑2024 AIと規制に揺れる性の大変動レポート』が発売。それを記念して今回は、AV界きってのサブカル女優(?)架乃ゆらちゃん&安田さんが、アダルトメディアの未来について語るスペシャル対談をお送りします!

アダルトメディア年鑑2024 AIと規制に揺れる性の大変動レポート

架乃ゆらちゃん写真集も発売&予約受付中!

 

自分では、やったことはないんですけどエロゲとか興味あって(笑)

安田理央(以下、安田) 『アダルトメディア年鑑2024』読んでくれましたか。

架乃ゆら(以下、架乃) 面白かったです。AV女優は6年やってますけど、同じエロでも全然知らない話がいっぱいあって興味深かったです。

安田 架乃さん、2次元系も強いんですよね。

架乃 普通にオタクなので。DLsiteとかも結構使ってますよ。二次創作のものを求めてたどり着いたんですけど、色々見てたらオリジナルのエロ漫画とかもいっぱいあって、そっちの方を読み漁ったり。あと、この本にも出てきますけど、「音声」とかすごい豊富で、今ハマってます。

安田 「音声」も! 「音声」は今、かなり盛り上がってるジャンルなんですけど、あんまり知られてないんですよね。

架乃 二次元系を漁っていくとたどり着くんですよ。ASMRとか流行ってるじゃないですか。YouTuberでもエロよりのASMRを発信してる人がいて、その人を探るとDLsiteでR18の作品だしてたりするんですよ。

安田 VTuber流れはあるみたいですね。

架乃 そうそう。あと自分では、やったことはないんですけどエロゲとか興味あって(笑)、エロゲ声優さんを探ったら音声作品があったりして聞いてみたら、面白かったんですよ。初めてVR見た人って、こんな風に感じるんじゃないかなって思いました。

安田 今の「音声」って、映像のないアダルトVRだからね。疑似体験するメディア。

架乃 している状況とか距離感とか、すごいリアルに感じられるんですよね。これ、面白いなと思って、男性向けと女性向けとあったから両方買ってみたんですよ。私が買った作品がたまたまそうなのかもしれないんですけど、女性向けはドラマっぽいんですよ。

安田 女性向けは以前からドラマCDっていう文化があったから、その延長らしいんですよ。だからDLsiteでも女性向けの音声は「ドラマCD」ってジャンル名になってる。

架乃 そのキャラクターが好きだったら、こういう風にして欲しいんだろうなって感じの作品になってますね。でも男性向けは、そのキャラのこと知らなくても、めちゃめちゃエッチなことしてくれる。「え、耳舐めてくれるの?」みたいな。男性向けの方が実用性は絶対高いなって思いましたね。

安田 「音声」は映像作らなくていいから、めちゃくちゃな設定とかも出来るんですよ。ドラゴンとセックスも出来る(笑)。最近気に入ってるのが、お姉さんが嘘の知識ばっかりずっと囁き続けるっていう作品。これはエロではないんだけど、面白くって今日もこれ聴きながら歩いてきました(笑)。今、「音声」は、いろんな実験が行われてて、刺激的なんですよね。VRも最初はそんな感じだったけど、最近はもうだいぶ落ち着いて普通の作品ばかりになってきちゃってる。

架乃 でも「音声」楽しむのは、二次元というかオタクの知識がある程度ないとわかりづらいかもしれないですね。ふたなりとか、「メスガキわからせ」とかオタクの文化をベースにした作品がめちゃくちゃ多いから。

安田 ただ、今はAVでも「わからせ」は来てるし、二次元で流行ってるのを取り入れたりはしてますよね。

架乃 AVに持ってくる時点で、元々の二次元のネタを薄めてものになっちゃうなってのは感じますね。それはしょうがないんですけど。

安田 二次元オタっぽい発言(笑)。でも、男性向け「音声」を女性が聞くと、どんな気持ちになるんですか? 女性が囁いてくるわけでしょ?

架乃 ゾクゾクはしますよ。でもフェラチオされる時とか、自分にないところを一生懸命されるから、なんか申し訳ない気持ちになっちゃいますね(笑)。

 

ジャンプも一緒に買ってバレないようにしてBLを買ってました

安田 架乃さんは、もともと二次創作の方から、同人作品を見るようになったんですよね。でも、最近はこういう同人作品をダウンロード販売しているサイトで、二次創作がやりづらくなってきたって話も出てきますよね。やっぱり版権的な問題で。

架乃 SNSとかですごく好みの絵を描く方が、たまたま私がすごい好きな作品のエロいのを描いていて、もっと読みたいと思ったんですけど、調べたら個人で通販していて。

安田 BOOTHとかですね。

架乃 そうです。気さくに買えない感じだったんですよ。

安田 まぁ、昔はコミケとか行かないと買えなかったわけだから、ハードルの高さは、そういう頃に戻ってるのかもしれないですね。だから今はエロ同人もオリジナル中心になって来てたりね。ただ、そういうプラットフォームの方針で、クリエイター側の作るものも変わってきちゃうっていうのは、怖いと言えば怖い。まぁ、これはAVなんかでも、同じことなんですけど。

架乃 DLsiteが「AIの絵はやめましょう」ってなったから、これからエロAIでやっていこうと思ってた人は出鼻くじかれてますよね。

安田 そういう二次元系のエロの出会いは、やっぱりネット?

架乃 中学生の時にアニメイトの漫画コーナーでお目当ての漫画を買うついでに、横にあった漫画が絵が綺麗だからって買ってみたら、めちゃくちゃエロのBLで、なんじゃこりゃって大ショック受けて、そこからハマッテ行きましたね。

安田 最初は紙の本のBLだったんだ。

架乃 それから、ジャンプも一緒に買ってバレないようにしてBLを買うように(笑)。

安田 まぁ、どう考えてもバレてますけどね(笑)。

架乃 そういう女の子は、周りには結構いましたね。

安田 AV女優さんにインタビューしてても、エロの入り口はBLだったっていうのは、よく聞くんですよね。BLのエロいヤツとかって、最初から抵抗なかったんですか? まだ中学生ですよね。

架乃 抵抗っていうか、汚らわしいものを見たというよりかは、なにか見ちゃいけないものを見ちゃったっていう驚きですね。まだ中学生なのに、大人向けを読んじゃった、みたいな。でも18禁マークついてないから、いいのかな、って。

安田 BLは基本的に一応全年齢向けなんですよね。

架乃 よく聞くのが、『銀魂』だと思って買ったら、銀さんがあんなことしてる、えー! みたいな(笑)。そういうのを間違えて買っちゃう友達は結構いましたね。その後に、電子でも買うようになって。最初はFANZA同人でしたね。AVとかで有名だったけど、エロ漫画もあるんだって、色々買うようになって。今はFANZA同人とDLsiteと半々くらいですかね。やっぱり電子の方が、色々とよいので。

安田 今回『アダルトメディア年鑑2024』でも女性向けって、本当はもっと取り上げたかったくらいで、かなり大きな市場になってるんですよね。架乃さん、漫画や音声以外では何か、見てますか?

 

 

女性用風俗はもっと一般化されてもいいんじゃないかなって思います

架乃 メディアじゃないですけど、女性用風俗は結構周りの友達が行ったりしてるのを聞いて興味持って、一回行ってみたんですよ。

安田 AV女優さんで、女性用風俗行く人、結構多いですよね。

架乃 興味本位で行く人が多いと思うんですよ、どんなもんじゃいって。それで「意外とやるじゃん」って帰ってくるんですけど(笑)。

安田 意外といいんだ(笑)。

架乃 男性用風俗は、お店構えてたりするのに、女性用風俗って派遣ばかりですよね。

安田 それは風営法の関係で男性用でも、これから新規に店舗型作るのは難しいんですよ。女性用風俗って、新しい店ばかりだから。

架乃 男性用風俗店が女性用も兼ね備えるとかは出来ないんですか?

安田 それは難しいんじゃないかな。男性客と同じ待合室で待つのはイヤでしょ(笑)。いや、待合室とかは別にするとしても、店に出入りするところは見られたくないでしょう。まぁ、その一帯が女性向けという歓楽エリアがあるといいかもしれないですけどね。

架乃 じゃあ、池袋の乙女ロードとかにあればいいのでは(笑)。裏乙女ロード。

安田 確かにあそこは男性は行きづらいから、いいかもしれない。

架乃 今、女性用風俗ってタブーとまではいかないけど、行ってるって言う人少ないじゃないですか。でも、結構みんな利用してると思うんですよ。テレビとかでも芸人さんがよく風俗の話とかしてますけど、女性の芸能人が女性用風俗の話してるのは見たことがない。

安田 それはイメージ的に難しい(笑)。

架乃 でもなんかもっと一般化されてもいいんじゃないかなって思います。

安田 今回の本でも、少しだけ触れてますけど、女性用風俗メディアは外せないかなとは考えましたね。今、女性向け風俗に行ったっていうエッセイ漫画とかすごい多いですし。

架乃 みんな気になってるんですよ。

安田 あと、今いろいろと問題になってるホストクラブなんかもグラデーションでつながってきますね。

架乃 女性用風俗の接客受けて、たぶんこれはホストと変わらないんだろうなぁって思ったんですよね。ホストは行ったことはないので、わからないんですけど。

安田 ユーザー層は結構違う気がします。男性でもキャバクラ行く人と、風俗行く人は違うんですよ。僕も一時期は風俗ライターがメインだったくらいなんですけど、キャバクラは自分でお金払って行ったことは一度もないんです。連れて行かれたことはあるけど。

架乃 えー、そうなんですか。

安田 求めるものが違うというか。それこそ、AVとアダルトVRの客層が違うというのもあるでしょう? VRがAVに取って代わるか、なんて言われたけど、結局は客層が違うから両立してますね。

架乃 面白いですね。

 

今は、三次元は規制が多すぎて、自由なことはできなくなっているというのはありますね

安田 女性向けAVは見ますか?

架乃 たまに見るんですけど、私はあんまり実用的じゃないなと思っちゃうから、男性向け見ちゃいますね。この本にも描いてありましたけど、まだAVを見たことがなくて、興味はあるけど、なんか怖いって女性には、女性向けAVは入り口としていいと思うんですよ。深夜にやってるちょっとエッチなドラマのもっとエロい版みたいな感じだから。

安田 入り口の話で言えば、BLなんかも抜き目的だけでみんなが見てるわけじゃないですよね。

架乃 実用じゃないにせよ、エロいものを摂取したい時とかあるんですよね。ちょっと大人っぽい恋愛リアリティ・ショーとか、大人な韓国ドラマとか見てると思うんですよ。Netflix とかでも、そういう作品がずっとランキングに入ってるし。AVとかエロ本とかを見るって考えがない子は、そういうのを見てエロいものを摂取してるんじゃないかなって思うんですけど、そんな層がもっと飛び越えてAVを見たくなるような作品があればいいんじゃないでしょうかね。

安田 たぶん今後はそのへんは重要になってくるとは思うんですよね。女性用AVって昔から挑戦してたんですけど、なかなか難しかった。でもネット時代になって可能性が出てきたんですよ。

架乃 やっぱり女性はショップに買いにいけないですからね。

安田 漫画でも女性向けのエロ漫画、BLじゃない男女のエロい作品も、かなり盛り上がってきてるんですよね。面白いなと思ったのは、女性向けのエロコンテンツって、フェラシーンと射精シーンがないっていうんですよね。フェラ好きっていう女性いるけど、あれは嘘なのか!って(笑)

架乃 フェラをするのが好きなのと、フェラシーンを見て興奮するのは違うんですよ! 私もフェラシーン見てもテンションあがらないです。技術者の目で見ちゃう。ここはもっとこうした方がいいんじゃ? とか(笑)。

安田 なるほど(笑)。男性向け、女性向け、同じところもあるけれど、違うとことも多いので、まだまだこれから研究されていくんだろうなぁと思います。二次元の方が、女性率は高いですよね。描いてる人もすごく多いし。あと、こっち側から見ているからなのかもしれないけど、三次元より二次元の方が面白いことやってる印象はありますね。

架乃 今は、三次元は規制が多すぎて、自由なことはできなくなっているというのはありますね。

 

 

体的に見て、危機的な状況に陥ってるジャンルがすごく多い

安田 今回、AV関係の原稿だと、みんなAV新法の影響を書いてるんですよ。やっぱりあれは大きいなというのは感じますね。

架乃 この表紙のCGの女優さん(次元あいり)って、一応三次元になるんですか?

安田 そこが難しいんですよ。

架乃 FANZA同人とかでも、こういうCGの作品とかありますよね。

安田 この辺の区分が難しい。今後、どんどん侵食しあっていくから、二次元と三次元で分けるというのも、なくなっていくかもしれないですね。

架乃 分ける意味がなくなっていく。

安田 この本を読んだ感想はどうですか?

架乃 2024というタイトルですけど、ここ数年のアダルトに関する新しい動きを一冊で全部まとめて知れるのがよかったです。私も知らなかったことがたくさんあったし、ほとんどの人が知らないことが書かれてると思うんですよ。エロ漫画めっちゃ好きだけど、三次元で何が起きているのかとか、知らなかったりする。でもエロ好きとしては知識として知っておいて損はないのでは。あと、全体的に見て、危機的な状況に陥ってるジャンルがすごく多い。

安田 滅びつつあるジャンル。来年版を作る時はもうそのページはないかもしれない(笑)。

架乃 AVのページも薄くなってるかもしれない(笑)。AV女優としてはこの第三章(「実写」)あたりは必読ですよね。大変なんだなということは薄っすらわかっていても、どう大変なのかが全部書かれているので。自分の好きな分野でも自分の周りのことしか知らないですよね。この本を読むと、全体的な流れが知れるのはいいと思います。来年も楽しみです。

安田 来年以降も出していきたいので、ぜひみなさん買って欲しい! でも、すごく真面目な本でしょ?

架乃 表紙がちょっと恥ずかしいだけで(笑)。

安田 これね、カバーを外すと、もっと恥ずかしいんですよ(笑)

架乃 知ってます(笑)。カバー外して、「わっ!」って思いました。

(インタビュー&構成:安田理央)

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