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夢の中を彷徨っているような“如何わしさと切ないまでの美しい”街…男のアソコではなくカメラを握りしめ風俗街を歩き続ける元風俗嬢〜紅子の色街探訪記⑧新宿歌舞伎町

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もっとシミのあるパンツじゃないとダメなんだよ」と怒鳴られました。

そこは新宿歌舞伎町のど真ん中にあるアダルトビデオの撮影現場。

今から20年近く前の話です。

風林会館向かいの雑居ビルの中にある一室。

薄汚いトイレにはカメラが数台設置してありました。

和式トイレなのでさまざまな角度から撮影されます。

まず部屋に着くと水やジュースが用意され、ひたすら水分をとりトイレに入ってカメラのスイッチを押して排泄する。

監督は小太りで横柄な50代くらいの男。

人とあまり話したくないようで、部屋は注意書きの張り紙で埋め尽くされていました。

3時間ほどの拘束時間で15,000円。

もちろん「おしっこ」だけではなく「うんち」をしないと帰ることは出来ませんでした。

もともと便秘症でなかなか出ない私は監督に怒られ、最後には浣腸を渡されました。

浣腸だと下痢状態になるからリアリティがなくなります。

そのことを監督は気にして、また嫌味を言われる。

そんな辛い撮影で3日勤務して挫折しました

歌舞伎町はこのような苦い思い出がたくさんある街です。

今回訪れたのは風林会館近くにある小さな路地。

思い出の抜け道 新宿センター街

この一帯だけ時代から完全に取り残されたような、戦後の雰囲気をいまだに感じられる場所です。

現在は中華料理屋など飲食店が建ち並んでいますが暗闇の中、頭上から女の喘ぎ声が響いてきました。壁に描かれた不気味な女の子の絵と重なり合い、夢の中を彷徨っているような気持ちになりました。

東京戦後地図 ヤミ市を歩く」によると、戦後この辺りは青線地帯だったようです。

現在も如何わしさと切ないまでの美しさを感じる貴重な一角です。


紅子10代で売春婦となり吉原、川崎堀之内、歌舞伎町、など関東各地の風俗街を13年以上転々。現在は色街写真家として、風俗街、赤線、遊郭跡地などを訪れ、日本の性文化を記録する。過去の風俗体験を語る『紅子の色街探訪記YouTubeで配信中
聖と性のコントラストが美しい北の玄関口…男のアソコではなくカメラを握りしめ風俗街を歩き続ける元風俗嬢〜紅子の色街探訪記⑦鶯谷ラブホ街
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