根性人間です。中身はあまり女の子っぽくなくて。
── そういえば、ゆきなさんのデビューのキッカケはなんだったんでしょう?
ゆきな 元々AV女優をやっていた頃に、大見はるか姐さんや、武藤つぐみ姐さんと仲良くさせていただいていて、AV現場で一緒になることも多くて。それでお姐さん達が先に劇場デビューしたので、それを応援で観に行ったりして。
ストリップ自体はそこで知ったんですよ。「すごい世界があるんだなあ」って。そしたら「やってみない?」と声をかけられて、自分も始めることになりました。
── でも元々仲良しな友達だったひとが業界入りしたら先輩になる訳で、やり難さはありませんでしたか?
ゆきな 私は割とすんなり業界に馴染めたと思います。なんか “はるかちゃん” から “はるか姐さん” と呼び方が変わることにも特に抵抗がなく。つぐ姐なんかはAV業界でも先輩でしたから、違和感もなかったんですよ。
── 余計な話ですけど、過去にはそういう業界特有の人間関係がダメで辞めていった方もいましたからね。楽屋のスリッパを揃えさせられるのが納得いかないとか、想像を超えた理由で飛んでしまったり(笑)
ゆきな え~~~ヤバ(笑)。まあねえ、慣れてないと特殊な業界かもしれませんけど、私は部活動が厳しかったりして、上下関係のある世界が馴染み深いというか。
── 何かスポーツをやられていたんですか?
ゆきな スポーツではないですけど、ブラスバンドをやっていました。
── ほお、実は私もブラスバンド部だったんですよ。喘息が酷かったので肺活量を鍛えろと親に強要されて
ゆきな 私も小児喘息でしたよ! 喘息の子ってブラバンとか水泳とかやらされますよね(笑)
── そうそう水泳教室も通わされてた!小児喘息あるあるだ。親近感わいちゃったから、これからはゆきなちゃんを推しにします
ゆきな 喘息仲間で(笑)。深夜に病院に担ぎ込まれて点滴打たれたり、吸入したりねえ……。
── ちなみに、そのブラスバンドが厳しかったんですか?
ゆきな 特に厳しかったのは、大学時代にやっていた運動部ですね。私はマネージャーをやっていて、そういう上下関係を見慣れていたし、先輩のお世話をするとか、礼儀作法とか、昭和式の熱血指導を受けていたんです。マネージャーも選手も関係なく、ミスするとメチャメチャ怒られて。おかげでストリップ業界の厳しさにもすぐに順応できました。お食事に行っても、まず先輩の飲み物から聞いて回るとか毎日ヤラされてたので(笑)
── 童顔だから可愛らしい感じのひとかと思ったら、見事に根性のひとなんですね
ゆきな あ~~そうなんですよ、根性人間です。中身はあまり女の子っぽくなくて。趣味趣向も男性寄りですし。
── そういえばサ活してらっしゃいますよね
ゆきな そうなんです。サウナ好きで。リフレッシュになって良い趣味見つけたなって。それまでは趣味らしい趣味がなかったので。コスパが良いし色々な街に行けるし、汗をかいた後にちょっと居酒屋でお酒を引っ掛けたり。何だったら昼間からお酒呑んだり(笑)。そういうのが休日の楽しみになっています。
── でもサ活にハマるとお肌のケアが大変じゃないですか?
ゆきな 終わった後はいっぱいボディクリームを塗って、肌が荒れないように気をつけてます。そういう面では、見せる仕事は大変だなとつくづく思います。ただ週に何回も通ってる訳じゃないので、今のところお肌ツルツルで調子いいですよ。
── ゆきなさんのオッサン趣味話が面白くて混線してしまいましたが、ちょっと話を戻させてください。先ほど伺った大見さんや武藤さんのステージを観たときに、ストリップをどう思いました?
ゆきな 姐さん達のストリップを観に行った時は、こんな場所があったんだと驚きました。それ以前は新宿のニューアートや渋谷の道頓堀劇場とかの外観だけは知っていたんです。遊んだ時に通りかかったりして。だけど中でこんな事をやってるだなんて1ミリも思ってませんでした。ピンク映画館の延長線上というか、そういう男性しか行かない(アングラな)ものだろうと思い込んでいて、中に入ってみようなんて考えもしなくて。
それが姐さん達の応援でいざ行ってみたら「エンタメじゃん!ライブじゃん!」って。私自身はミュージカルとかコンサートとか元々好きだったので「これは楽しいぞ」と。
でも実はデビュー当初はこんなに長く続けるつもりはなくて、AVのお仕事や撮影会のように、ひとつお仕事がもらえたって感じだったんです。それが気づいたらお仕事を劇場一本に絞るようになって、どっぷりハマって気付いたら7年目って感じです。
── 何にそんなにハマったんだと思います?
ゆきな やっぱりお姐さん達やスタッフさん達との関係性とか、この場所自体に惹かれているなあと思います。私は人間関係が濃い空間が好きみたいですね。人間好きなんでしょうね。