本誌でもおなじみのライター・安田理央氏が最新刊「痴女の誕生」(太田出版)を発売。
そして、同時期に「せんべろ古本トリオ」として一緒に古本屋を回っている盟友・「日本一ブックオフに行く男」とみさわ昭仁氏が「無限の本棚」(アスペクト)、特殊翻訳家・特殊映画評論家の柳下毅一郎氏が「柳下毅一郎の特殊な本棚」(本の雑誌社)を発売。それを記念して「せんべろ古本トリオ」三人揃ってのトークイベントが神保町・東京堂書店で開催されました。このイベントでのトークの一部を抜粋してお伝えいたします。
この日の御三方もいつものように飄々とした雰囲気で登場。
まずは、「せんべろ古本トリオ」の出会いのエピソードからスタート!
とみさわ:一時期「ダムカード」を集めていたんですけど、ある日ダムカードを貰ったあと、安田さんに「今、何してんの?」って連絡したら、「上野にある聚楽ってファミリーレストランで飲んでる」って言われて、じゃあ行きますよって、行ったら柳下さんがいたんですよ。
それで、飲んでるうちに「今日何してたの?」って聞かれたから、ダムカードを集めてたっていったら「僕もこういうの持ってますよ」って柳下さんが出してきたのが”即身仏カード”で。
それを見て「あ、この男は信用できそう。友だちになれるな」って思って(笑)
それがきっかけで仲良くなったんですけど。
安田:オレ、柳下さんと最初に会ったのがいつかわからないんだよ。
柳下:たぶん、96年くらいの個人HPが流行りだしたときにあった「日記リンクス」の集まりじゃないかなー。「日記リンクス」っていうのは、その当時個人HPで描くことなんて日記くらいしかなかったんですけど、その日記の人気順を競うってサイト(?)があって、そこでズルをして1位を独走してたのが安田さんだったんですよ。
安田:ズルっていうか…(笑)。
「東京トップレス」っていう巨乳のサイトがありまして、そこで風俗日記を書いていたんですけど、そのサイトに設置してた日記リンクスの投票ボタンがおっぱいのアイコンだったんですよ。そしたら、みんなおっぱいがあったらクリックしちゃうじゃないですか。
だから僕の日記がトップを独走していたんです。
柳下:そこで会ってたんですけど、でもちゃんと繋がったのはそのあとのmixiかなー。たぶん。そのあと、Facebookも繋がって、その時に「朝飲み」ってのもやってたんで、「古本屋巡り」と「朝飲み」を一緒にやろうってことになったのがきっかけかな。
とみさわ:古本トリオのツアーは、酒場に集合してその日の路線を決めて、古本屋をたどりながら、途中途中酒場でガソリンを入れながら旅をする。
そうすると、朝からやってる酒場ってのが必要で、そういうのがある駅ってのは限られているんで、一番最初は赤羽だったんですよね。
柳下:10時か11時に集合したんですけど、その前から飲んでる人いたよね(笑)
最初は壮大な計画をたてて、埼玉の奥地とかまで行こうよ、とか言ってるんだけど全然そんなとこまでいけないの。
とみさわ:途中で飲んで盛り上がるとそこで1時間くらい経っちゃうしね。
安田:僕らは(お酒を飲むことを)ガソリン入れるって言うけど、このガソリン入れれば入れるほど身体が重くなるしね(笑)
とみさわ:飲めば飲むほど足取りが重くなるし、本を買えば買うほど荷物も重くなるから、後半が過酷になるんだよね。
だから、最初のころは新宿とか赤羽スタートで遠ざかって行ったんだけど、それは危険だなってことで遠くへ行ってから戻ってくるスタイルに変更したんだよね。
イベント前に購入した古本を発表するコーナーで以外な事実が判明!?
安田:さっき、古本じゃないんだけど今集めてる「ブラックパック」っていうマイナーなジャンルのAVがあったんで買ってきたんですけど。それとは別に「華麗なるゲイの世界を彩るリラ、エミ」っていうAVを見つけたんです。
これニューハーフのAVなんですけど。なんで買ってきたかというと、このAVのビデ倫番号の頭が「84」なんですよ。つまり84年に発売された作品なんですね。で、先日発売した『痴女の誕生』でわたし「ニューハーフビデオの一号は86年」と書いていまして…。見つけた瞬間「えーーーっ!」ってなりました(笑)。
柳下:より古い地層から発掘されてきちゃったんですね。(本に修正のための)シールを貼らないとね(笑)。
安田:86年に第一号って資料にあったから、
しかも、これを発掘しちゃったことで、もしかしたらこの前にもあるかもしれないって可能性も出てきちゃったんで、いったいどうやって調べたらいいのかなーって…。
とみさわ:僕ね、安田さんの本を読んでて気になったのは「AV女優のアイドル化」ってところがあって、AV女優がCDとか出してるって書いてて、それを集めたいなーって思ってて。
安田:そいういうマニアの方けっこういます。藤木TDCさんもけっこう集めてたりしますし。難しいのがAVの特典だけでしか手に入れられなかったCDもあって、そういうのは集めるのが手強いんですよ。その中に、笠木忍の「ハートがまっぷたつ」って名曲があって。
この曲一部で話題になってましてiTunesで販売してたり、YouTubeにもあがってたり。ニコ動でボカロがカバーしてたりもするんですよね。
でも、本人の歌はすっごく下手くそなんですよ(笑)。
最後に行われた質問コーナーでの意外な質問に、さすがの御三方も冷や汗が!?
質問者の女性:生で見させていただいて楽しかったです!
まず、とみさわさんに質問なんですが、とみさわさんはExcelでリストを作るのが好きということなんですが、仕様OSとMicrosoft Office のバージョンを教えていただけますか?
とみさわ:えっ!? えーっと…OSは僕はMac派で最新のやつなんでOSXかな…。あとExcelはなんだろ? 最新のだったかな?
質問者の女性:2010ですかっ?
とみさわ:ずい分前に買った、Officeをバージョンアップ、バージョンアップしていってるんで、今がどれなのかはちょっと…
質問者の女性:あ、あれですか? 常にアップデートされる最新のやつ。
とみさわ:あー、たぶんそれじゃないかなー…
質問者の女性:はい! ありがとうございます!
安田:え!? 今の質問なんの参考になるの? でも、とみさわさん感がありますよね(笑)。
とみさわ:Excelとかちゃんと使いこなせてはないですけどね。ちょっと表つくってソートするくらいでしか使わないし…。
質問者の女性:次は安田先生に質問なんですが…
安田:先生! まあぁ、私の本教科書っぽいですからね(笑)
質問者の女性:今日の話と関係ないんですけど、いつもおしゃれだと思っているんですけどお洋服はどちらでお買いになっているんですか?
安田:えーっと、これはジーンズメイトです…。高田馬場の仕事場の近くにジーンズメイトかユニクロしかないんですよ。この前急遽テレビに出演することになって、慌てて買ったんです。ズボンは古着…かな?
質問者の女性:ヘアカットはどちらで…?
安田:えーっと、いつも急に切りたくなるので、
質問者の女性:柳下先生はストリートファッション雑誌『CUTiE』でライターをしていたと今日のトーク中に言われてましたが、どの号で書かれていたんですか?
柳下:書いていたというか、ちょうど僕が宝島にいたときに『CUTiE』が創刊して、そのころちょうど宝島の編集部にいたんです。『CUTiE』の女性編集長と仲良くて、映画のコラムとかなんかしらの原稿書いてあげたりはしましたよ。
安田:おしゃれファッションチェックとかやらなかったんですか?
柳下:こんな黒ずくめの男がやらないですよ(笑)。
絶妙な掛け合いに、イベントは最後まで笑いが絶えず、大盛況のうちにイベントは終了!
「せんべろ古本トリオ」に興味を持たれた方は一度各人の著書を読まれてみてはいかがでしょうか。
(取材:デラべっぴん編集部)
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