江戸時代には公認事業として認められていた本番風俗。そんな遊郭の流れを受け継ぎ、現代まで男たちの股間を慰め続けたのがちょんの間だ。ところが最近では各地で大規模な摘発が相次いで、既に壊滅した場所も増えている。全国の裏名所の今を追った!(後編)
「日本ちょんの間今昔物語」記事前編はこちら↓↓
ちょんの間マニアには近畿地方が最後の砦か
◯【近畿】 ちょんの間が今なお息づく伝統の色街
東京には残っていないちょんの間だが、大阪では今も多数営業を続けており、飛田、松島、今里、滝井、信太山を指して五大新地と呼ばれるほどの盛況ぶり。その変わりにソープが1軒もないのが興味深い。大阪ミナミにも花博のころまではあったと言われるが、あらゆる風俗のルツボ・大阪では存在意義がなかったのだろうか。
飛田をトップに現在でも大阪でちょんの間が存続できるのは、遊郭が形成された太閤秀吉の時代以来の歴史と伝統があるからだという。新地に手が入れば暴動が起きるというのもあながち嘘とは思えない。華やかな遊郭の世界が今でもあることに感動すら覚える。
飛田をはじめ新地のちょんの間街を男が歩けば女のコは眩いスポットライトに照らされて笑顔を向けるだけで、その変わり巧みに配置した鏡で店に中から客の姿を見つけるオバさんがシツコク誘ってくる。2番手の松島新地は飛田と違って静かだが、やはりオバさんの出番がある。最近は飛田に追いつけとばかりに店をリニューアルし、まるでブティックかヘアサロンかと思ってしまう。
まんべんなくちょんの間街のある関西。兵庫のかんなみ新地もオススメだ。飛田や松島と比べて規模は小さいが、非常に女のコのレベルが高く、華やかな光景が楽しめる。
また奈良の生駒新地の旅館も見逃せない。顔見せはないがオバさんの的確なチョイスで2時間たっぷり遊べる。4万円ほどが相場でお高いのが難だが、古都の趣たっぷりだ。
一方の古都・京都の五条楽園はあろうことか廃業の憂き目にあい、日本で唯一着物を着た芸妓と遊べたちょんの間はなくなった。祇園芸子ではハードルが高すぎる我らにはリーズナブルに遊べた場所が消滅したことは大きな痛手だ。
◯【中部】 本サロ過剰ゆえ?一発屋要らず
中部圏では意外にちょんの間は少ない。本番ヘルスや本番サロンなどいくらでも代替風俗が営業できる風土だからであろう。ヘルスを生んだ名古屋には名古屋駅の西側に遊郭・赤線の遺構は残るもののせいぜい名駅西に一発屋のバアさんポン引きがいるくらいだ。
ほかに愛知県豊橋の有楽街にも遊郭の名残りがあるが、現在ちょんの間の営業は定かではなく、あっても昭和生まれの超熟が出て来るのを覚悟することになろう。
おすすめは飛騨の秘湯・下呂温泉。ちょんの間旅館は1万5千円ほどが相場だが、タクシー運転手や白髪の老婆ポン引きを通すと2万円にはねあがる。姫は30代半ばから40代がほとんどだ。時間を気にせずゆったり遊べて、遊郭・赤線の懐かしい良き思いに浸れる。
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