エロ本ライター、編集者も集まり貴重な話も多数語られた
ライター、イラストレーター、漫画家とマルチに活躍する村田らむさんが主催するイベント「ゲンバシュギ!」。これまでもホラー映画のゲンバ、怪談のゲンバ、事故物件&魔女のゲンバなどディープでカルトな現場を扱ってトークイベントを開催してきました。
そのゲンバシュギ!の第12回はエロ本のゲンバ。10月26日、新宿・ネイキッドロフトで行われた「ゲンバシュギ!第12回~エロ本のゲンバ!!~」の模様を早速レポートします!
司会進行は村田らむさんと朗読詩人の成宮アイコさん、ゲストは地下アイドル、ライターとして活躍する姫乃たまちゃんと月刊DMM編集長の大木テング―さん。この4名で昭和の男たちの夢であるエロ本を語り尽くします!
沢山のエロ本を抱え登場した出演陣。
早速、「エロ本の読者年齢は高いです。70歳の読者が熟女特集をしてくれとハガキがきます」と昨今のエロ本読者事情を話す姫乃たまちゃん。かつてエロ本は10代、20代のものでした。
本格的なトークに入る前に、この日は主催の村田らむさんが偶然、誕生日ということでケーキとシャンパンが贈られお祝いに。このユルさ加減もエロ本を語るにはふさわしい雰囲気。
まずは村田らむさんのエロ本原体験から「僕からするとエロ本は『ザ・ベスト』、『デラべっぴん』。本当は『ベストビデオ』が好きだった。小森愛も好きだった」と告白。まるで初恋を語るような甘く切ない思い出です。
その後は成宮アイコさんが素朴な疑問をぶつけます。「エロ本は何故、道に落ちているか?」には「恥ずかしくて家では捨てられない」。「昔は空き地に落ちていたエロ本を小学生が見ていたけど、いまはどうやって触れているのか?」には「いまエロ本自体がない」と疑問に答えていく村田らむさん。
その後も現役の大木テング―編集長を中心に「投稿雑誌の話」、「初エロ本の話」、「エロ本の地方性」などで盛り上がります。
また、姫乃たまちゃんのエロ本原体験は「18歳のときにエロ本のハガキコーナーをやっていて、読者と文通とかしていた」とコメント。確かに読者コーナーは新人編集者、バイトの担当でした。
そして、かつて存在したエロ本のリストを投影してしみじみと、いまは亡きエロ本の思い出を語ります。
エロ本の現場話は「某エロ本出版社に行くと、縛られた裸のお姉さんがやってくる」と村田らむさん。どの編集部内でもよく撮影が行われていました(笑)。
AVの現場取材では「AV本って撮影現場に写真を撮りに行かないといけなかった。サイレンサーを自分で作り、AVのカメラマンが撮っている後ろから撮っていた」と村田らむさん。
AV撮影ではシャッター音がはいるとまずいので、ペリカンケースという防水ケースを加工しカメラを入れて撮影するのが常識でした。現在ではVTRのキャプチャー画面で済ましてしまう場合もありますし、シャッター音が出ないデジタルカメラで撮影するなど楽になりました。
村田らむさんの思い出のAV取材現場は「監督がへそを曲げて撮らせないってなって夜まで待った。延々待って撮影になったら30秒だけ。20~30人取材に行っていたから、ひとり1秒くらい。撮影自体が12時間位押していた。これがいちばんの思い出」と有名AV女優と有名監督の撮影現場秘話を語ってくれました。
昨今のエロ本読者あるあるでは「コピーがとれない、ネットが見られない、DVDが見られない人が多い。コピーがとれないから、エロ本の好きなカットをハサミで切って、こういうのが見たいと送ってくる」と姫乃たまちゃん。それだけ読者層が高齢化しているのが伺えます。
その後も「BL雑誌話」や「エロ小説話」を語りつくし前半は終了。思い出話は尽きることがありません!
後半は会場に多数集まったエロ本関係者(編集者、ライター、カメラマンなど)にマイクを回し、数々のエピソードが語られます。
なかでも興味深かったのが当サイトの名前の由来となった伝説のエロ本『デラべっぴん』の話。青年男子の教科書として爆発的な売り上げを誇った『デラべっぴん』ですが惜しまれつつも2004年に廃刊。現在、その名を引き継いだ当サイトがありますが、ひとつ疑問が。
雑誌名の「デラ」の意味とは何か? 名古屋弁の「でら」=「ものすごい」が由来との説が有力でしたが、当時の編集長曰く「『デラックス』なべっぴんです」とキッパリ! 今宵、長年の疑問が解決しました!
その他にも元スコラ編集者、元三和出版編集者、元コアマガジン編集者、そして現役重鎮ライターの安田理央氏など多数の関係者が思い出を語ってくれました。
懐かしい思い出話に花が咲きますが、観客からの質問で「エロ本はどうなるか?」と聞かれ「撮りおろしもしてないし月刊誌もほぼないので、どうなるかと言われても、もうないんじゃないかな」と安田理央氏。
会場にいたショップ店員さんもこの質問に「売り上げはかなり下がっている、昔は4,000~5,000円買う人がいたが、いまはいない。パンツ付きの雑誌を買ってパンツだけ持っていく、付録DVDだけ欲しいという人もいる」と雑誌本体いらない現実を告白。
悲しいけどこれ現実なのよね…。
ここまで湿っぽい話が続きましたがその後は「いちばん最初に買ったエロ本」、「エロ本の隠し場所」、「エロ本でのオナニーの仕方」などあるある話で盛り上がりました。
最後は「これからもアダルトの書き仕事がきたらやりたいです! 切ない文化としてのエロ本が好き。忘れないでいましょうエロ本のことを!」と姫乃たまちゃんの前向きな発言で終了。若い女の子がこのようにエロ本を愛している限り、エロ本は存在し続けることでしょう!
「温故知新」。この言葉こそが現在のアダルトシーン、エロ本出版社には必要なのではないでしょうか! ストイックで寡黙なアダルトメディア・エロ本よ永遠なれ!
(撮影・取材 KKフォトグラフ)
?村田らむさんも気に入ってくれた!?
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