――山岸逢花ちゃんはどんな役を?
山岸逢花「わたしの役は死を目前とした状態のマウスです。そのなかでもいちばん悟りを開いているというか、死を受け入れているM03です。他のマウスたちが死に対して抗っているのに『落ち着こうよ』とか声をかけて、『私はこうやって受け入れた』ということを言っているマリア様みたいな役です。」
――見どころについて
山岸逢花「見どころは安楽死とか重いテーマで、人間ではなくてマウスの扱われ方に対する道徳とか倫理観みたいなものが、いろいろな感情で交差する場面があり、そこが胸をかきむしられる。演じている側は楽しい場面はあるんですが、それを外から見た時にマウスたちだから、むなしく感じるはずなんです。その感覚が不思議だなって思うところがあって、楽しいけど外から見たらむなしいみたいな、そういう感情が動かされる場面がいっぱいあるので、それを感じながら見てもらえたら嬉しいです」
――加藤あやのちゃんの役を教えて下さい。
加藤あやの「M01と名付けられた実験用マウスです。他のマウスは試験管内で作られた人間なんですが、私はお父さんとお母さんがいるなかで生まれて育ちました。だけど、家族が貧困で売られたマウスの役です。いちばん人間らしい、いちばんプレーン、普通の人間なんです。本当は人間なのにマウスとして実験をされてきた役です。」
――見どころは?
加藤あやの「見どころは実験用マウスとして生きてきた人間も、ちゃんと意志や考えや夢があるので、命の大事さをすごく感じられる舞台です」
――本庄鈴ちゃんの役と見どころを教えて下さい。
本庄鈴「反抗的なマウスの役です。みんなとかかわるのがイヤで科学者(つぼみ)のことも嫌いで、何故、連れてこられたのか、それに対してすごくイライラして怒ってしまうマウスです。見どころはM04(AIKA)と仲直りする場面が好きです。そこを見て欲しいと思うし、マウスが集まって人間について話している場面があるんですけど、そこも見どころですかね。楽しい雰囲気です。私の役はみんなのことが嫌いだったんですけど、その輪に入って話すことで、この人たちは本当にすごくいい人たちだったんだなあって、改めて実感できる瞬間の場面が好きです」
――あべみかこちゃんの役と見どころを教えて下さい。
あべみかこ「素直で人見知りでM01(加藤あやの)になついている役です。みんなと段々、打ち解けていくさまとか、最後の方に感情を出すシーンがあって、芝居を通していちばん感情に起伏がある役かなと思っているので、そこを見て欲しいです。見どころはちゃんと最初から最後まで見逃せないフラグがいっぱいあって、それを最後にドンドン回収していくので、最後まで見続けて欲しいです」
――つぼみちゃんの役と見どころを教えて下さい。
つぼみ「役柄はマウス実験をしている科学者です。他のみなさんはマウスで、私はそれをひとりずつ殺していく役です。性格的には冷たいところや残酷なところもあるようにみえる役なんですが、私のなかでは普通の人間だと思っています。見どころは物語がすごくいいお話なので、考えながらみなさん見られると思います。以前もカジさんの芝居に出たんですけど、前回は悲しい役だったのですが、今回は悲しませる役ということもあって、自分から他のみなさんに話すシーンが多く、そこがまだ慣れなくて頑張っているところです」
出演者の6人は難しい自分の役を冷静に受け止めている一方で、見どころは熱く語ってくれた。
そして、演出担当のカジさん、坊屋さん、えのもとさんにも、舞台の見どころや、出演者たちへの思いを聞いてみた。