――今回、豪華な6人をキャスティングした意味は?
カジ「この6人の出演者を集めた意味は、まず仕事をした人というここと、過去に仕事上で『こういうふうにした方がいいんじゃない?』って言った時に素直に『あ、そうですね』って言ってくれる人達です。トークライブ終わりに『何でこの時、こういう感じで言ったの?』っていう時もあるんですよ僕が。それで『そうですね』って素直に受け入れる人たちです。この演出をすることによって『いや、それは』って言われたり、心の中で『こいつ何なんだろう?』って思われたらイヤだなあっていうのがあり、みなさんは素直に受け入れてくれる6人です。」
――稽古を通してみて、6人の舞台役者としての個性はどうですか?
坊屋「セクシー女優さんだからってのは分からないですけど、感性とかが人一倍鋭い、勘がすごい。今回の作品がちょっと暗い作品というか、感情的な芝居が多い中で、心から芝居ができているのかな。」
カジ「セクシー女優さんだから培ってきたものがあると思います。僕が思うのは、みんな同期な感じでやっているのが楽しいです。みんな1年生みたいな気持ちで、先輩後輩関係なくやっている感じがすごくある。本庄さんはいちばん(キャリアが)浅いじゃないですか、でも、13年間やっているつぼみさんもいるなかで、みんなが同期みたいな感じで、見ていて微笑ましいです。
――えのもとさんは今回、原作を提供されたきっかけは何ですか?
えのもと「カジさんからお話をいただきました。女性だけ、セクシー女優さんだけのお話をどうか書いてくれないかって話をもらった時に、この作品(原作の『マウスの道徳』)だったら女性だけの話に書き換えても成立するので、どうですかと原作を見せたら、『これいいですね』とカジさんからOKをいただいた。そのなかでカジさんが『無慈悲な光』っていうタイトルを付けてくれて、そのタイトルに合うように沿って改稿した感じです。」
――改稿にあたりセクシー女優ということは意識しましたか?
えのもと「いや全然。セクシー女優さんだからっていうのはないです。原作を選ぶときにこの難しいセリフ回しがある作品をセクシー女優さんたちがしゃべったら面白いし、かっこいいだろうって選ぶ時点では意識はしましたけど、書き直す時には意識はせず、作品は『無慈悲な光』というタイトルに合うように書き直しました。」
――では最後に、カジさん見どころをズバリお願いします。
カジ「ストーリーはもちろんですけど、見どころはみなさんが本当に頑張ってくれている、お芝居が好きなんだなというところです。ひとりひとりの個性を見て楽しんで欲しいです。脚本は本当に面白いので、もう何回も見て欲しいという気持ちです。あと、セクシー女優さんてここまでお芝居ができるんだなあって、ひとりでも多く思って欲しいです。」
出演者、演出家、脚本家、全員がひとつの気持ちを共有しながら、一生懸命稽古に励む姿は美しい限りだった。
セクシー女優が出演することで話題を呼ぶことは間違いないが、その枠を超えた役者としての魂が見られる今作品。ぜひ、劇場に足を運んで見てもらいたい作品だ。
脚本:えのもとぐりむ 演出:カジ・坊屋たいと
出演:つぼみ・山岸逢花・AIKA・あべみかこ・加藤あやの・本庄鈴
チケット予約(ローチケ):https://l-tike.com/play/mevent/?mid=439287
(写真・取材= 神楽坂文人 )