最後の最後に世紀の大どんでん返し
「メイキット(旧表記Make it!)は劣等生の集まりだった。また、そのなかでもあけみみうは劣等生だった。グループ結成当初、関係者からあけみみうの歌唱力とダンスの評価を聞いたことがあるが、彼女はそのどちらも苦手としていた。
また、AV女優としても背水の陣だった。AV女優の世界では単体、キカタン、企画と序列があり、何をするにもメーカー、事務所は単体女優が優先。企画女優の意見など通らないのが常である。
しかし、彼女の並々ならぬ行動力とリーダーシップが徐々に発揮され、いまやメイキットは押しも押されぬセクシーアイドルグループへと成長した。その彼女が今日、メイキットを卒業する。外は彼女の卒業を悲しむかのように涙雨が・・・」
というようなレポートの書き出しをライブ途中に考えていたにもかかわらず、この5流小説家のような書き出しを全てひっくり返す事件が勃発!
あけみみうちゃんの秘めた魂が爆発しハッピーエンドを迎えた、「メイキットライブ・トキメキメイキット生TV~GRADUATE 2010s AKEMI SPECIAL」が12月22日にレフカダ新宿で開催された。
まずは順を追ってライブの詳細をレポートする必要があるだろう。
11月のメイキット定期ライブで突然の卒業発表をしたMake it!(あけみみうちゃん、一ノ瀬恋ちゃん、新垣智江ちゃん、ひなちゆんちゃん)メンバーのあけみみうちゃん。
伝説の初回オーディションを勝ち残り、メイキットをこれまで支えてきた重鎮メンバーだけにファンの悲しみは深く、この卒業ライブが来ないことを願ったファンも多かった。
しかし、迎えた当日、冷たい雨が降る中、超満員のファンが駆け付け会場は一種の興奮状態。
ライブ前半は「トキメキメイキット生TV」と題して、ニコ生連動番組の公開放送が開始された。
あけみみうちゃんの卒業を記念して、これまでの活動の写真をスクリーンに投影したり、グループの思い出話を展開したりとしんみりムードに。
「メイキットでの思い出のライブ」や(写真を参照)、「メイキットのいちばん好きな曲」(写真を参照)、「メイキットでのいちばんの思い出」(写真を参照)などを披露するメンバー。
その後はあけみみうちゃんがメンバーひとりひとりに伝えたいメッセージを読み、涙を流す4人。
残される3人にメッセージを伝えると「移動中に考えて、考えながら道ばたで泣いていた。面と向って言うのは酒の席でしか語れないから、しらふで語れてよかったです」とコメントするあけみみうちゃん。
また、ライブに登場したメンバーと、現在、休業中の北乃みれいちゃんから、あけみみうちゃんにメッセージが送られ、涙を流しながら聞き入るあけみみうちゃん。この日最初のクライマックスを迎えた。
後半はいよいよライブに突入。この日のライブで4人のメイキットが見られなくなることもあり、「穴埋め隊」と呼ばれるファンは総立ち! 全力で「oi! oi! oi!」を叫ぶ光景が見られた。
曲は初披露の『抜け駆けCHAIN~恋の18番~』、『メイキットファイター』、『MY NOME』、定番の『願望シンデレラー』、『君にHole In Love』など10曲を熱唱。
10曲目の前には「ラストか・・・。ラスト1曲か・・・」と名残惜しそうにつぶやくあけみみうちゃん。そして、ファンから花束と記念品まで贈られた。
最後の曲を歌い終えると、ステージを去る4人。これであけみみうちゃんのライブ姿も見られなくなるのかと思うと、まるで祈りのような「アンコール」が会場中に響き渡った。
その声を聞いたあけみみうちゃんは衣裳をチェンジし登場。さようならを伝えるべく最後の力を振り絞りソロ曲を歌った。
そして、いよいよお別れの挨拶をする場面が。すると、ここで大事件が勃発!
この臨場感は文字では伝えられないので、音声データで大公開「あけみみゆ卒業撤回コメント」音声をどうぞ↓↓
メイキット卒業のメッセージかと思いきや謝罪! この大事件に会場は歓喜! 割れんばかりの歓声と万歳三唱が沸き起こった。怒るファンは誰一人としておらず、「おかえりなさい!」と温かく迎える声ばかり。
自分の意志で、自分の言葉で、自分の思いを正直に伝えるあけみみうちゃんは素晴らしい! いまや自分の意志で何も決められない“お人形”のような女優がいるなか、すべてをさらけ出し感情を爆発させる人間がここにいたのだ。
このビッグサプライズに会場は沸きに沸き、最後は『今すぐMake it !』で大団円。2019年も疾走し続けたメイキットは団結力を高め、再び新たなる世界へと足を踏み出したのだ。
今回の卒業→撤回には賛否両論があるかと思われるが、エンターテインメントの基本はハッピーエンド。ファンの歓喜を見れば、全員がウェルカムだったことが分かるだろう。
昨今、あらゆることが息苦しく、セクシー女優もイメージで固められ自己を出せない、またはイメージに塗り固められたことをよしとする女優が多い中、全てをさらけ出したあけみみうちゃんの行動は許容の範囲どころか、本来、あるべき姿だ。
この行為は今後のあけみみうちゃん、メイキットメンバー、そして運営スタッフにもいい影響を与えることだろう。
メイキットメンバーは不完全燃焼の中で卒業するよりも、完全燃焼し卒業して欲しいのだ。
2020年もこの稀代のパンク精神を持ったセクシーアイドルグループを見守りたい!
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(写真・取材 神楽坂文人)