葵マリーさん連載コラム第264回!
今回は、今年引退した岬あずさちゃんの最後のSM作品『縛る 岬あずさ』の撮影現場をレポート!
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縛る 岬あずさ
引退作なんじゃないか? と思っちゃうくらい過酷な現場。振りきる、やりきるって言葉がスタジオ内に見えた気がした。
2024年3月。AV女優、岬あずさ引退。
たぶん私が業界で1番可愛がっていた女優さん。なにかあれば「あずさー」新しくはじめることがあればすぐに「あずさー」ってなんでもかんでも声かけてきてたなー。
色々と振り返ってみて、そう言えばTOHJIRO監督組でやるSMは初めてなんだなと思った。なんだかんだでSMっぽく見える現場にいただけで、ちゃんとしたSM作品はこの「縛る」になる。
縛る 岬あずさ
以前TOHJIRO監督での撮影は確かイラマ物かな。調べてみたら2019年にリリースされているから5年前だね。
このころはヤンチャ娘で自由奔放で好き勝手にやりたい放題な娘だったな。もちろん、顔付きも身体付きもまだまだ女性とは言い難い女の子って感じ。
負けず嫌いで我儘で、その癖なんだか涙脆くて感情のまんま表現する女の子だった。
イラマ現場でも、イラマの厳しさに逆ギレして本番中だろうがなんだろうが構わずに大御所男優の佐川銀次さん相手に「オメーもやってみろよ」と銀次さんの口に手を突っ込みギャーギャー喚き散らし、銀次さんの太腿に噛み付いたり乳首抓ったり大暴走。TOHJIRO監督もとめるどころか楽しくなっちゃってそのまんま続行。なんて現場なんだ、こんなのTOHJIRO組では初のこと。スタッフもみんな大爆笑。この時に見た、涙流しながら鼻水垂らしながら立ち向かって行くあずさにメチャ惚れたよね。
今回5年前とはまるで違うあずさを見ながら感慨深い思い。大人になったねっ
て母の気分。
いつも通りTOHJIRO監督のインタビューからはじまる。白目の襦袢じゃなくて赤の柄物。柄物の襦袢を羽織らせても子供っぽく見えないのは、やっぱり大人になった証拠なのかな。
奈加さんがあずさの後ろに周る。一瞬、身を固めたけどそのまま奈加さんに身体を預ける。以前のあずさなら警戒する事が表情に出てた。でも、今回は違う。しっかりと縄を受け入れる体勢になってる。奈加さんがゆっくりゆっくり丁寧にあずさに縄を掛けて行く。
その縄の流れに乗るかの様にあずさの表情も段々と柔らかくなってきて、妖艶と言う言葉に相応しい女性になってた。
きっとこれが、あずさにとって最後の縄であり最後のSMになるはず。
もう2度と、この場所には戻ってこない。そんな思いも含めあずさも縄をしっかりと受け止めていたかの様に思えた。
特にライブじゃないので早さに任せた縄ではなく、その時のあずさの吐息と共に縄を滑らせてくれた奈加さん。本当に有難かった。
奈加さんのデザインの縄で包まれたあずさは本当に美しく縄の似合う女性になっていました。前は縄と喧嘩してたもんな。今は、縄がしっかりとあずさに貼り付き、ちゃんとした衣装に見える。
かなり厳しい奈加流の縛りにもしっかり耐え抜き、最後の優美を見せてくれました。
最後の最後にこんな姿を見せてくれて有難うな気持ち。私が育てて来た訳じゃないけど、ここまで育ったんだなーって思いました。
人の人生って面白いよね。もしかしたらあの強烈なイラマ現場でもう2度とこのドグマスタジオにはこなかったかも知れないのに、今こうして最後の姿をTOHJIRO監督に撮影してもらってる。そして、あんなに破天荒だった我儘娘の最後をしっかりと残そうとしてくれてるTOHJIRO監督が居る。これが見れただけで幸せな気持ちになりました。
これを分岐点として、これから新たな人生を歩んで行く岬あずさと言う素敵な女の子に笑顔がいっぱいな人生が送れますように。
■『縛る 岬あずさ』(ドグマ)
http://www.dogma.co.jp/home/15942-gtj-138.html?search_query=岬あずさ&results=16
(取材:葵マリー)
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縛る 岬あずさ