新聞配達のアルバイトに励む大学生といえば、親からの仕送りもなく、販売所の寮でストイックな暮らしを送るまじめな苦学生というイメージがあるが……。
団地妻を口説くためだけに新聞勧誘のバイトを始めた僕
確かに、中にはいるのだろう。そんな苦労を絵に描いたような学生が。しかし、少なくとも僕は違う。生活のためでも健康のためでもない。僕がこのバイトを始めたのは、勧誘先の人妻を口説くためなのだ。
たった2つの単位を落としたばかりに卒業できず、2回目の大学4回生を送ることになった昨年4月、僕は手ごろなアルバイト先を探していた。留年したにもかかわらず田舎の親からの仕送りが月15万。賛沢しなければ、バイト無しでも暮らしていけたが、なんせ出席すべき授業がほとんどないから、毎日ヒマで仕方ない。この有り余った時間は、やはり仕事で潰すのが賢明かと考えた。
さっそく近くのコンビニで求人誌を買い、ついでにエロ雑誌を立ち読みしていたとき、”団地妻の告白”というべ夕な題名が付いた記事が目に飛び込んできた。
『私、エッチしたくなるとセールスの人を家に誘っちゃうの。特に”新聞拡張員”さんはワイルドな感じでいちばん燃えちゃう…』
おいおい、そんなスケベな人妻がいるかよ。いかにもウソくさいぜ。とは思ったものの、発想は悪くない。
新聞勧誘の仕事なら人妻と接する機会は少なくない。さすがに自らモーションをかけてくる主婦はいないにせよ、若い学生である僕がアプローチしたら、落ちる主婦もいるんじゃなかろうか。昔から”人妻”には、この上なくソソられてきた僕だ。
いい機会だろう。2,3カ月やってみるべ。成果がなければ他のバイトを探すまでだ。
最後は判子を押してしまう奥さん
バイト先は、自宅アパート近くの新聞販売所に決まった。
仕事は配達(朝2時半〜6時&夕方3時〜5時)と勧誘(11時30分〜昼2時30分&夜7時〜8時。拡張と購読者の契約延長の2種類)。
勧誘だけってのは無理らしい。眠い目をこすりつつ配達をこなし、昼間、勧誘で各家を回りながら、自分好みの奥様を探す。が、想像と現実は違う。拡張で訪れても、大半の家庭がドアさえ開けてくれないのだ。では、契約延長の際、アプローチをかけるのはどうだ。
これなら居留守や門前払いを食らうこともないし、ターゲットの数も十分だ(400軒ほど受け持ちがある)。
バイトを始めて10日目。11階建ての高級マンションに住む高田さんの家を訪れた。ドア越しに顔を覗かせたのは、30代半ばの奥さん。