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【ガン闘病中のレジェンドAV男優・沢木和也インタビュー】「今の男優は楽しくないかもしれない。ただ、セックスの経験が少ない監督が要求して、男優がなるべく応えようとして、そこでいいものが生まれてるのかもしれない」【後編】

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時間どおりに来る男優ってあんまりいないし、AV業界は緩すぎるんだよね

── 加藤鷹さんはブスもデブも、アソコが臭いのも好きじゃないですか。
沢木 むしろ大好きですよ(笑)。アソコが臭い時は僕は口呼吸で何とか乗り切ってましたね。で、(ベテラン男優の)日比野達郎が鼻炎なんですよ。
── ほう。ちょっと鼻声ですもんね。
沢木 そう。あの人は匂いがわかんないから。それが羨ましくて(笑)。
── ハハハ。この先、かつての沢木さんのように女性とヤリたいからとAV男優を志す若者に、伝えたいことってありますか。
沢木 僕個人的には、時間を絶対守るとかあるんだけど、この世界、時間を守んなくても全然大丈夫なんですよね。
── あー(納得)。
沢木 男優でも時間どおりに来る奴ってあんまりいないし。会社員だったら許される話じゃないけど、AV業界は緩すぎて。でまあ男優でいうと、爪を綺麗にして、歯をよく磨くとか、耳クソを取っておくとかですね。身体を清潔にするっていうのが一番大事かな。
── あとセックスが好きで向上心もあれば、沢木さんのように一人前になれるんですね。
沢木 なれるはずなんだけど、頭の悪い奴もいっぱいいますからね。センスがないっていうんですかね。それと、僕らだって女とヤリたいがために入ってきたんだけど、今の男優たちも当然そういう気持ちで入ってくるんだろうけど、今の子たちは規制が多すぎる。昔は細かく言われなかったけど、今は台本どおりに、監督のロボットみたいな動きをしなくちゃいけない。
── 昔の男優のほうがセックスを楽しめたのかもしれないですね。
沢木 そう思う。セックスの経験もそんなにない監督が、いかにもAV的なカラミの段取りを組む。疑似だったらこっちは対処できるけど、本番だったら勃たせなきゃいけない。難しいですよ、人間だから。
── 細かく正常位、後背位、背面騎乗位って順に書かれている台本をよく見ますね。
沢木 だから今の男優は楽しくないかもしれない。台本どおりにできないとボロクソに言われることもあるだろうし。ただ、セックスの経験が少ない監督が要求して、男優がなるべく応えようとして、そこでいいものが生まれてるのかもしれない。昔の監督だったら絶対言いそうにないことを、今の監督は平気で言うから。だから逆にビックリするようなカラミができるようになったのかもしれないですね。
── あー、そこは考えたこともなかった。この女の子は意外とワイルドで淫乱だったんだ、とかね。
沢木 見ているほうが感じる部分でね。
── これまでを振り返って、もう1回生まれてもAV男優やりたいというくらい、潤った男優生活でしたか?
沢木 そうですね。やめようと思ったことも全然ないです。
── で、沢木さんは去年の4月、食道がんと下咽頭がんをTwitterで明かしました。今日現在はどんなあんばいなんですか。
沢木 今年に入ってからちょっとだけ調子悪くなってきて、治療ももうやめたんです。
── お薬は。
沢木 痛み止めくらいです。もう抗がん剤やっても無理なので。まあ自然に任せようかなと。
── 最初に見つかったステージ4の食道がんが、放射線治療でうんとちっちゃくなったというのは大きいんですよね。
沢木 それは大きいです、うん。
── 現在、がんは転移していて、この先のことは読めないんですね?
沢木 2000万円とかの高額治療もやろうと思ったんだけど、もうその範囲じゃなくて転移も多過ぎるから。
── 去年の終わりくらいに、現在7カ所に転移しているとおっしゃってましたよね。
沢木 はい、多分今も。
── 愛車を運転してきた沢木さんですけど、歩く際は杖をついておられますね。
沢木 ケツの骨に転移したんです。
── 足ではなくお尻ですか。あと、ずっとTwitterを見てますけど、抗ガン剤をやっても全然僕よりハゲていない。
沢木 ハゲない抗ガン剤があるんです。
── で、やつれてもいない。胃は何ともないから食事は普通にできるんですね。
沢木 そうです。食べる量はちょっとずつは減ってきてるんです。食いたい気持ちは全然あって、普通に食事はしてますけどね。
── 酒も煙草も変わらないんですか?
沢木 飲んでるし吸ってます。
── 医者から、飲むな吸うなを言われる段階ではないということですか。
沢木 今さらやめても治んないから。ちょっとだけ寿命、延びるかもしれないけど。

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