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【川上パイセンカウントダウン対談カウント8】デビュー2年目の八木ちゃんの胸中とは?「AV女優としての八木奈々を誰かの記憶に残したい。だから、今いろんな仕事の選択肢があったとしても、AVの撮影に一番力を入れています」(八木)【中編】

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連載開始時から話題沸騰! 20222月にアダルト界から引退する川上奈々美ちゃんが毎月、様々なセクシー女優と真剣勝負の対談を敢行! 人生の酸いも甘いも嚙み分けた奈々美ちゃんが気になるゲストを呼び、今後の人生設計やプライベート話をガチンコで聞き出すのだ。

3回目のゲストは事務所の後輩である八木奈々ちゃんを指名。尊敬する大先輩を前に緊張する奈々ちゃんだったが次第に打ち解け、内容はアダルト話のみではなく人生の深い話にまで広がった。15,000文字に及んだ、人生のぶつかり稽古をご覧ください!

■インタビュー前編

【大好評連載! 川上パイセンカウントダウン対談カウント8】事務所の先輩後輩がみせた魂の会話に感動!「一人の人として惹かれて好きになりました」(八木)「嬉しい! 嬉しいよ!」(川上)【前編】

川上パイセンカウントダウン対談カウント8・中編!

川上 エンタメの人間だから言葉にするか文字にするか表に出すことをやっていき、努力も人に見せる必要があるかな。それをした方が夢がかなうスピードが速いよ。だから、「セックスしようよ」って言われ、「高いですよ!」っていう姿を周りの人にはっきりと見せ付けていた()

八木 私は努力していますっていう姿を人に見せるのは避けてきたんです。

川上 そんな気がする。

八木 この世界に入ってよりそうなったんです。

川上 どうして?

八木 もともとそうだったんですけど、もしかしたら「私が頑張っています」っていうのは恥なんじゃないかと思っていて言えなくなりました。

川上 どういうことかな?

八木 容姿に関しても内面に関しても「頑張ってそれなんだ」って言葉を投げかけられたりもして、周りよりも劣っているところばかり気になってしまい本当に自信がないんです。

川上 八木ちゃんは自信がないね。すごくもったいないことだなあ。きっと八木ちゃんのやり方があるのでそれは自分で見つけたいし、私もすごく見つけたい。

八木 何かを否定するのはすごく楽で肯定するのはすごく難しいことだと思っているんです。努力を肯定するのは証明みたいに、いっぱいその事象を並べないといけないじゃないですか。

でも、否定は一つのことができなければ簡単に否定できちゃうから、きっと私は無意識にそっちを選んできてしまっているんです。

いま、こんなにいい状況でお仕事をさせてもらって感謝しているんですけど、同時に自分の可能性に期待したいのに、ちゃんとしきれてないんです。完全に期待したら自分のことをもっと嫌いになってしまう気がするんです。

川上 その思考は分からないなあ。八木ちゃんは周囲からのプレッシャーに耐えられないんだ?

八木 いや、プレッシャーを楽しみたいと心では思ってはいるんです・・・。でも、結局は耐えられていなくて、そういう自分が本当に嫌いで変えたいと思っています。

川上 上昇志向はある方かな?

八木 ある方だと思います。

川上 どういう女優になりたいのか、どういう人になりたいのか具体像はあるのかな?

八木 AV女優としての終わりは正直分からなくて、ただAV女優を終わった後にやりたいことはすごく明確にあるんです。AV女優になる前は失敗したことや悪い出来事だけを見て、もっとこうしていればよかったってことばかり考えていて、過去の自分を振り返るのが怖かったんです。

でも、このAV女優の仕事と八木奈々でいた事実は振り返りたい過去にしたいんです。マイナスになり得る世界だと思っている自分がいるからこそ、マイナスにしたくないんです。

川上 すごく確信的な言葉を言ってくれてありがとう。

八木 この業界はいまでも偏見があるし、これから先もあり続けるだろうし、私はそれを変えたいというわけではなくて、ただ、少なくとも私がこの世界に立っている以上はいつか私の人生の過去になりますよね。

引退した後に、私の選択は間違えていなかったと思えるためには、いまどうしたらいいのかを常に考えているんです。

川上 AV女優として達成したい何かがあるわけじゃないんだ?

八木 はい。AV女優としてどう終えるは決めずにこの世界に入ってしまいました。

川上 それはここまで偏見があるとは知らなかったから?

八木 デビューしてから今日まで本当にあらゆる形で偏見を受けて実感しました。

川上 ものすごく差別を受けるよね。

 

八木 もともとプライベートでAVの話をする機会がなかったので、自分自身がこの業界に偏見がある認識はなかったんです。でも、過去の私がもしプライベートでAVのイメージを聞かれたら関わりたくない怖い世界だと答えていたと思います。

川上 それなのにどうしてこの世界に来たんだろう。セックスは好きだった?

八木 性の経験はほぼない状態でした。

川上 でも、エッチなことに対しての興味はあったのかな?

八木 嫌いという感覚はなかったのですが、好きという感覚もなかったですね。

川上 恋愛経験は豊富なのかな?

八木 いままで一人の方としかお付き合いしたことがありません。恋をしたのもその一度っきりです。

川上 結婚願望はある?

八木 過去の経験から恋をすることがトラウマなんです。

川上 男性自体じゃなくて?

八木 プライベートで異性と話をするのも苦しいです。

川上 ハッキリ言うけど、この様子だと難しそうだね()。ごめんね。

八木 AVでは「八木奈々」としているから大丈夫なんですけど、プライベートではエレベーターなどでも男性と二人きりにならないように気を付けて生活しています。

川上 この人生では小さなトラウマかもしれないけど、感受性が豊かだし、そのトラウマを大きく捉えるタイプでしょ。それを逃げないでいくと変わっていくから。友達はいる?

八木 思いつく人はいないです。

川上 何がよりどころなのかな?

八木 私は料理をすることがストレス発散になっています。

川上 でも、ずっと一人はいやでしょ?

八木 はい。私は昔から記憶力だけはいいので、人に言われた言葉を一字一句覚えていて、しかもメモもしちゃうんです。

川上 怖いねえ()

八木 もちろんメモをするのは心に留めておきたい言葉だけですよ。ただ、昔から傷ついた言葉や悲しかった出来事も異常なほど鮮明に覚えてしまっていて、思い出して勝手に苦しくなって、人を恨むのはいやだからって覚えている自分を責めちゃうんです。

川上 でも、そこは変えたいよね。

八木 変えたいけど・・・。

川上 けど、なんだろう?

八木 「こういう人だよね」って言われるたびに、「この人の前ではこういう私」って自分を演じてしまうんです。

川上 その人生は楽だよね。

八木 そうなんです。楽なんです。

川上 でも、その先はどうなんだろう?

八木 そういう自分でいた結果、最終的には否定され続けたりもして、本当はどういう私なんだっけって分からなくなっているんです。

川上 すごく悪い言い方だけど、結構、逃げ癖があるのかな?

八木 本当にそうだと思います。

川上 いま言ってきたことは自分が楽な方に行っているよね。でも、楽の先は何が待っていると想像するかな? それって怖くない?

八木 楽な方を選んでいるという自覚は当時の私には全くありませんでした。

川上 それが一番怖いぞ。

八木 怖いですよね・・・。でも、それに気づいた後も、結局そのための努力だけを必死にしてしまっていたと思います。

川上 努力だけでっていうのはどうなんだろう?

八木 甘えられないこともそうだし、感情の面で自分を見せたりさらけ出したりできないことが課題だなってずっと分かっているんです。

川上 自分では分かっているんだよね。

八木 その課題を克服するために、何回も家で自己分析をしてスモールステップを考えるんですけど、結局スッキリしないままに朝になってしまったりもするんです。最近は毎日、ずっとそんな感じです。

川上 もし引退するならどういう女優になって、どういう形で引退したい? 引退する私がデビュー2年に満たない子に引退を聞くって面白くないですか()

八木 理想はAV女優としての八木奈々を誰かの記憶に残したいです。だからエロいと思われたいし、作品も評価されたいし、引退しても思い出してもらえる女優でありたいから、今いろんな仕事の選択肢があったとしても、AVの撮影に一番力を入れています。

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