生田 初めて自分でやりたいって思った職業だから
―― 生田さんはAV女優の先の人生の目標はありますか?
生田 目標ないなあ。
川上 みくちゃんがすごくゲッソリしちゃった(笑)。なにか一つだけもみくちゃんがクリアになったらいいのにと思ったんだけど、すごくみくちゃんは頑固なんですよ(笑)。
生田 いまイメージを大人っぽく変えて再スタートしようとしているんです。
川上 本格的なお芝居には進出しようとは思わない?
生田 う~ん・・・、脱ぎもありなら大丈夫かと思うんです。自分からではなく、オファーがあればっていうスタンスなんです。
川上 舐め腐ったことを自分で言っているのは分かるよね(笑)。
生田 いつも求められたら行く受動的なんですよ。
―― 大女優の発想ですね(笑)。
川上 私はみくちゃんに幸せになってほしい。でも、幸せになりたいという考えが明確にないのが悲しい。
生田 う~ん・・・。
―― AVにそこまでこだわるのはどうしてですか?
生田 初めて自分でやりたいって思った職業だからです。いま持っている看護師の免許も親が取りに行きなさいって言ったから取ったんです。
川上 もしAVがうまくいかなくなっても、そっちの仕事があるのね。
生田 でも、そっちの仕事はあまりやりたいと思っていないんです。
川上 贅沢だなあ。
生田 看護師とは別に美容系に興味があり、いま美容系のユーチューバーとYouTubeをやっているから、美容系には勤めたいとは思っているんです。でも、それはAVの目標じゃなくて人生の目標なんですよね。
川上 いいじゃん、いいじゃん。もし、鬱々した時に「自分にはこれがある」って思えば、そういう感情はわかなくなるの。みくちゃんはトゲトゲして見えるからもったいないよ。事情がそれぞれあるから絶対とは言い切れないけど、この業界にいるのは自己肯定感が低い人が多いと私は思ってるの。
でも、みくちゃんは国家資格も持っていて、一般の仕事でも働く選択肢があるのに脱ぐ仕事を選んだ。
生田 私も自分で生きづらいなって思っているんです。
―― 面倒な人生かもしれないですけど、その生きづらさを抱えながら生きていくのもいいと思いますよ。
生田 もはや抱えながら生きていく(笑)。
川上 それで健康に生きられるならいいけど、私はみくちゃんの精神も体も心配。
生田 ああ、そうですね、確かに。
川上 30代に入ったら体力も奪われ、そこで精神状態が踏ん張れるかどうかだよね。でも、そこにいかないと分からないこともあるからね。でも、そこに到達したらなんとなくでもいいから、今日話したことは思い出してほしい。
生田 お尻に火がつかないと動かないんです。
川上 でも、40代になって火がついて「遅かった!」って思わないでね。
生田 うわ~!
川上 今日の私はすごく厳しいこと言うよね(笑)。
生田 いまのは怖いなあ(笑)。
川上 これまでもみくちゃんには厳しいことを言ってきたの。
生田 私は厳しいことを言われている感覚はないんですよ。
川上 その感覚は危険。私は厳しい人だと思うでしょ?
生田 はい。でも、こういうことを言ってくれる人はいないし、川上さんがAV女優を辞められたら、尊敬できるAV女優がいないんです。
―― そこまで言われるのは女優冥利に尽きますね。そろそろまとめますか。
生田 今回は上手くまとめられますか?
―― これまでと違い面白かったです。きれいにまとまらないのがリアルです。
川上 まだ、モヤモヤしたなにかがあるんだったら言った方がいいよ。きっと自分の言いたいことを口にしないから、そんなにモヤモヤしているんでしょ(笑)。もしかしたら思考を言語化するのが苦手なのかもしれない。
生田 それはあります。
川上 書くのはどうかな?
生田 時間がかかるんですけど文字にする方が楽なタイプです。
川上 それが自分の特技だと思って。
生田 ほお!
川上 私は書くことよりも話すことの方が得意だから。自分の特技を知っていくことも大事だし、それで表現の仕方が変わるから、書きものの仕事もアンテナを張っていった方がいいよ。あっ! みくちゃんに一番言いたいことがあった!
生田 思い出したかのように(笑)。
川上 みんな思考が違い、違う人種だということを理解して、「どうして私と違うの?」って思わないでほしい。抽象的な言い方だけど、それを今日一番分かってほしい。「みんな違うからしょうがない」って思ってほしい。妥協の「しょうがない」じゃないよ。そうしたら生きるのが楽になるし、比べることもなくなるよ。もっと、もっと自分を好きになってね。
生田 自分を好きになるのは難しいなあ・・・。
川上 自分の弱さも知って自分を受け入れ、自分が好きなAV女優ほどスターが多いと思うの。
生田 そうなんですかね。う~ん、そうかあ・・・。
川上 意識的で無理矢理でいいんだよ。「私は自分が好きです」ってただ言ってみるだけでいいんだよ。
生田 結構、自分に甘いと思っていて、自分が好きだから自分に甘いと思っているんです。実は自分のことを一番かわいがっているから甘いのかなって思っているんです。自分を甘やかしているからいろんなことに踏み込めないのかなって思っているんです。
川上 解釈できないなあ。どっちかなあ?
生田 いまの自分で満足しちゃっている感じなんです。ダメなところは分かっているんですけど、正直、いまの自分でもいいかなっていう方が大きいから、自分に甘くて「よし、よし、いい子、いい子」みたいな感じで甘いのかな。
川上 そういう甘い自分に対して、不安は上回らないんだ?
生田 そこもあるけど上回らないんです。でも、仕事はどうしようかな、行き詰っているなって感じです。
川上 まだまだ行き詰ってないよ。みくちゃんは目の前の人がなにか言ったら絶対にブレるの。それをやめよう。誰かになにかを言われても「なんのことですか?」っていかないと。その強さは生きる上で絶対に必要だよ。
人からなにか言われても「自分はこう思っています」って笑顔で言ってごらん、そうすれば誰もなにも言わなくなるし、みんなイヤな気持ちにはならないから。そういう子が「なにかやりたいんです」って言ったら手を貸したくなるから、そういう演者になってほしい。ずっと私みたいにファイティングポーズをとっていてもいいことはないから(笑)。
生田 はい!
川上 大丈夫かなあ。迷っているねえ(笑)。
―― 生田さんは迷い続けながら進んでいくんでしょうね。
生田 モヤモヤ人生です(笑)。
川上 発する言葉で変わるから「モヤモヤしていない」って言い切ってみて。ポジティブに返答してみて。
生田 はい!分かりました。こうやってちゃんと話す機会はなかったのでよかったです。
川上 私があえてそういう機会を作らなかったのも分かるかな。いままでは多く話さない方がいいタイミングだったからLINEも交換しなかったの。今回、話せたのもタイミングかな。
生田 困ったことがあってもLINEは送らないタイプなんです。
川上 それも受動的なの。それで自分が潰れたらどうするの?
生田 そう、それで潰れていくんです。
川上 それは誰が見てもハッピーじゃないから、ハッピーになって!!でも、いまは現状でいいかな。今日話したのは私の意見だし、みくちゃんの考えはそれでいいの。ブレなくていい。
生田 はい。