—— ハメ撮りの天才・健太さんはどのような印象でしょうか?
北山 「どうやって撮ってるんだろう? 」と衝撃を受けたのが最初の印象でしたね。ハメ撮りなので健太さんと女優さん二人っきりのはずなんですけど、もう一人いてその人が撮ってるみたいな映像なんですよ。健太さんは360度カメラを振ったりするんですけど、映っているのはもちろん女優さんだけで部屋には誰もいないんです。でもその作品を見ると、第三者が撮ってる感じになっているんですよね。
—— なぜ健太さんはそんなことができるのでしょうか?
北山 多分ですけど、体を上手く使って撮っているんでしょうね。正直、真似することができない異次元のレベルと言いますか。センスですよね。
—— なるほど。凄すぎますね。健太さんはこの連載にも出てくれてハメ撮りの極意をお話頂きましたが、「モニターは見ないで撮っている。カメラで撮っている映像が、同じ画角で頭の中でモニターのように流れている」という宇宙人のような天才コメントをおっしゃっていました。
北山 健太さんにはプライベートでとてもお世話になっているんですけど、弟子入りという形で教えを乞わなかった理由はそこですね。教わってもわからないんですよ(笑)。
—— ハメ撮りに関して教わったことはあるのですか?
北山 健太さんには幾度となく「あれはどうやって撮ってるんですか? 」っていう質問はしてきました。でも「わからない。」って言うんですよ。健太さんは学生時代、175人中170番とかの学力ですからね。きっとわかっていても、人に説明することができないんでしょうね(笑)。
—— 北山さんのタイプとは違って、健太さんは感覚で撮る天才肌なのですね!
北山 そうですね。あの人は真似できない凄さがありますよね!
—— ご自身が思う、自分の男優としてのセールスポイントは何ですか?
北山 自分で言うのはあれですけど、「嫌われないこと」だと思います。女優さんやメーカーさんに嫌われないことが、次のおかわりに繋がっているとは思いますので。
—— まだ数分しか話していないですが、北山さんの人柄の良さは伝わってくるので納得です!
北山 そうおっしゃってくれて嬉しいです(笑)。あとカメラを自分で持てるっていうのは、十分武器にさせてもらっていますね。それと口が立つっていう部分もナンパモノに繋がっているかなとは思います。
—— 男優さんになろうと思ったキッカケを伺っていきたいのですが、まずはどんなお子さんでしたか?
北山 みんなの中心にいたいタイプでしたね(笑)。勉強はできなかったですけど、スポーツはできて野球部に所属していたりと活発な子供だったと思います。異性とのお付き合いも人並みにはある方でしたね。
—— 一番最初に性を感じた瞬間を教えて下さい!
北山 物心がついた頃に、クレヨンしんちゃんでネネちゃんのパンツが見えるシーンを見て「あれ? 俺とパンツが違うな? 」と気がついて、母親の下着を確認してみたんです。そしたら自分のパンツとは違ったので「男と女って違うんだ。」と理解した時が初めて性を感じた瞬間ですね。そこから「パンツの違いはわかったけど、パンツの中はどうなってるんだ? 」というような興味が物凄く湧いてきたんです。
—— なぜ男優さんになろうと思ったのでしょうか?
北山 サラリーマンを長らくやっていたんですけど、それを辞めた時に「人生一度きりだし、周りの人が誰もしてない仕事をしたいな」って思ったんです。刺激ある日々を送るにはどうしたらいいんだろうって考えた時に、僕はAVが好きだったので業界への興味から始まりました。それでネット応募でエキストラとして撮影現場に行ってみたんです。それが年齢で言うと、28歳の時ですね。
—— 実際に体験してみたAVの世界はいかがでしたか?
北山 何人が男優さんが来ていたんですけど、素直にカッコいいなって思いましたね。それで僕もそっちの世界に行きたいと思い、男優を志すようになりました。この時のエキストラの役が、ただただ見てることしかできなかったというのもあるんですけどね(笑)。
—— どんな役だったんですか?
北山 健康診断を見ている生徒役でした。それで僕はこの現場に行くにあたって男優さんのことを下調べした方がいいと思い、しみけんさんの本を読んで行っていたんです。そこには男優さんのランクのピラミッドが書いてあって、男優になる前には汁男優があって、この汁男優にもランクがあって、エキストラは汁男優の下というのが書いてあって。
—— 汁男優さんの中でも、上汁、中汁、下汁があって、その下がエキストラなんですよね。
北山 この日は30人くらいエキストラがいたんですけど、待機部屋は無いし、廊下の長机に案内されて5人くらいしか座れないし、ギャラも朝から翌日の朝方まで拘束されて2千円だったんです。
—— 朝から朝!? ほぼ丸一日で2千円は大変ですね。
北山 この時に僕は「これは厳しい世界だな。」と感じたんですけど、「でも売れている男優さんはみんなエキストラから始まって、これを乗り越えてあんなに輝いているんだ。」って思ったんです。なのでここから這い上がって自分も輝く場所に行きたいと、純粋にこの現場で感じましたね。
—— そこからどのようにして男優さんになられたのですか?
北山 やはり僕は28歳で周りよりスタートが遅いので、周りと同じことをやっていてもダメだと思い効率のいい方法を考えていたら、SODさんが「男優オーディション」を開催するという話を聞いたんです。
—— 西野翔さんがオーディションを勝ち抜いた育成男優たちを一流AV男優に育てていくという内容のやつですね! たしかこれで優秀な成績を収めると、お仕事が貰えるみたいな特典があったんでしたっけ?
北山 そうですね。それで僕はこのオーディションに通らせて頂き、ここから少しずつお仕事を頂いて名前を覚えてもらって今に至ります。興味本位で業界に入って、タイミングよくこのような催し物があってって感じですね。