プロの監督が認めるAV作品はズバリこれ!
AV監督が愛したアダルトビデオの話を聞いてきた…
前編ではオススメAVとして、ドラマティックな二作品を紹介してくれた梁井監督。後編ではフェティシズム、そして『劇場版 どついたるねん ライブ』について語ってくれた。
あなたは何を考え感じる!?
『ヌこうと思えば全部ヌけるんですけど…
いつも頭から見始めて30分くらい見たところでヌイちゃうので、
最後の尻まで辿り着かない』
(第一回:タイガー小堺監督編<前編><後編>) (第二回:麒麟監督編<前編><後編>) (第三回:沢庵監督<前編><後編>)
「僕の琴線に触れまくったAV」
そして『劇場版 どついたるねん ライブ』
『東京桃尻娘 01』(CCD企画)より
梁井「女性の腰から膝もしくはつま先まで…。下半身に凄く興奮するんです。」
ーー顔や胸より尻や足がお好きなんですね。
梁井「そうですね。エロ画として安定してるので見てて落ち着くってのもあります。自分がハメ撮りする時もわりとバックが多いっす。」
ーーたくさんのヒップラインが出て来るわけですが、お気に入りのお尻ってありますか?
梁井「全部イケます。ヌこうと思えば全部ヌけるんですけど、大体いつも頭から見始めて30分くらい見たところでヌイちゃうので、最後の尻まで辿り着かないんですよね(笑)。」
『東京桃尻娘 01』(CCD企画)より
ーー今回三本ご紹介頂いた中で、二本目の『大浣腸』以外はカラミの無い作品ですが、監督のヌキ所ってどこなんでしょう?
梁井「普通は『フェラ』とか『正常位』とか、お気に入りの抜く瞬間があると思うんですよね。でも僕は映像とシンクロさせて射精するっていう嗜好が全然無いんです。
視覚的な刺激とかビジュアルの世界だけでヌけるので、普通のカラミのあるAVを見てる時でも、カラんで無い場面で射精したりしてますね。
今回紹介した中だと『大浣腸』がいわゆる実用性のある作品ではあると思うんですけど、“どんなAVが良いAVか?”っていうと、なんかしら人の琴線に触れるのが良い作品だと思うんです。なので今回オススメした三本はピンと来ない人には全然ピンと来ないだろうけど、僕の琴線には触れまくっているんですよね。
じゃあこういう作品を撮りたいかと言うと、自分はこうは撮らないんですけど。」
劇場版『どついたるねん ライブ』
梁井「11月くらいまでいろんな所でかかってるんで、HPをチェックしてぜひ劇場で観て下さい。」
ーーパッケージ化されたAV OPEN版の作品と劇場版は違うんですね?
梁井「そもそも劇場版を作る予定は無かったんですけど、撮影と編集が終わって出来上がったものを松尾さんに見てもらったら気に入ってくれて「これの劇場版を作ろう」と言ってくれたんです。
そもそもはノーカットのライブ映像をやりたかったので、それを収録したのがAV OPEN版。
でも、編集してるともうちょっと意図的なものがライブに入って来るんですよね。で、それを分かりやすく編集したものが劇場版なんです。」
劇場版 どついたるねん ライブ 公式Twitter @dotsuhmjm HMJM公式HP
インタビューの数日後、“主演女優と男優がバンドのライブ会場でセックスしまくる映画”という前情報のみを頭に入れて『劇場版 どついたるねん ライブ』を観に行った。
コーヒー片手に映画館の座席に着き思ったことは
「セックスで私を打ちのめしてくれ」。
その期待(?)に反して映画に描かれていたのは、獣のようなカラミで観客を威圧しようとか、問題作を作ってやろうなんていうエゴイスティックさが全く無く「こんな気持ちいいやつらのライブを聞きながらバッコバコにハメるってなんか良くない?」「音楽が好きでセックスが好き。それが合わさったら最高でしょ!」みたいな、てらいの無い欲求だった。
中年という世代感か、かっこつけちゃう性格か、女という性別か、それともその全部のせいで、どうしてもセックスに対してかまえてしまうことが多いのだけれど、この『劇場版どついたるねん』は、そういうモヤモヤした気持ちを全部とっぱらってくれる気持ち良さがあった。
~考えるな感じろとブルース・リーは言うけど、考えてしまう。悪ノリでつっ走っても、結局なにも残らない。でも残らないからいいよね。
(作品内に出て来るライターの九龍ジョー氏の言葉の一部を抜粋)~
「ねえ観た? どう思った? 楽しかったよね!」って言える映画。めちゃくちゃセックスしてるのに心地良さが残ったんです。
(取材・文:菊池由貴)