8月まで人気連載「秋葉原ラムタラ店員・佐藤花の感じるAVレビュー」を続けていた最上一花ちゃんが新連載を開始!
新連載は一花ちゃんが「AV女優として活動するなかで日々感じていること」などを執筆。自身の思いのたけを等身大のスタイルで書いていきます。注目の連載第1回目はAV女優以前の悶々とした気持ちを振り返り、性の目覚めやアダルトDVD店で働くきっかけなどを告白。一花ちゃんのまっすぐな性格が読み取れます。ぜひ、ご覧ください!
最上一花「最果ての地に咲く一番美しい花」【第1回】
みなさまお久しぶりです!
約一年間、AVレビュー「秋葉原ラムタラ店員・佐藤花の感じるAVレビュー」を読んで下さりありがとうございました。そして、今回からまた新たなテーマでコラムを書かせていただきます。
これまではAVショップの店員として、みなさまにオススメしたい作品の紹介をしてきましたが、今後はそういった形ではなく、私がこれまで生きてきたなかで体験したことや日々感じていることなどをもとに、より個人的な内容を自由に話していきたいと思います。
24歳でAV女優になって、世に自分の裸をさらけ出し、もう捨てるものも隠すものもなく、あとは突き進むだけとなった私はある意味最強なのかもしれないという気持ちから、今回コラムを書くことで、私という人間の深い部分まで読者のみなさまにお見せしていこうと決めました。
みなさまのうちの一割くらいに刺さればいいかなと思っています(笑)。
さっそくですが、読者のみなさまはエロに対してどういったイメージを持っていますか?
みなさまの認識しているエロはポジティブなものであるかもしれないし、ネガティブなものであるかもしれません。
エロを仕事にする前の私は常に欲求不満でエッチなことを考えてばかりだったので、「そんな自分が気持ち悪い、なんでこんなに性欲が強いのだろうか」と自己嫌悪に苛まれる日々でした。
読者のみなさまもオナニーをした直後に突然虚しい気持ちに襲われたり、好きでもない人とエッチをしてしまったあとなど、いわゆる「賢者モード」が発動する瞬間があるかと思います。そういった負の感情、とても解ります…。
私がエロをエロとして認識しはじめたのは、小学5年生くらいのときに祖父が愛読していた『週刊文春』を何となくめくってみたときのことでした。幼い頃の記憶なのであまり定かではありませんが、官能小説のような短い文章とエッチな絵が描かれたページを見つけてしまい、いままでに感じたことのない、とても後ろめたい気持ちに苛まれました。
心臓がドキドキして、冷たい汗が流れるような感覚を未だに覚えています。
そして、雑誌を元にあった場所にそっと戻したのですが、見てしまったその1ページの残像がしばらく脳裏に焼き付いていました。
祖父は無口でとても厳格なタイプだったので、エロとはかけ離れていそうな祖父がこのページを見たらどんな反応をするのだろうかという好奇心と、そんなことを考えている自分が気持ち悪いという罪悪感でいっぱいでした。
時が経って中学生になった私は母親が毎週土曜日の夜に、私の知らない男性に会いに行っていることを知りました。母はいつも地味でダサい下着を着けているのに、日曜のお昼にベランダに干してある下着だけは赤や紫のTバックなど派手なものだったので、中学生の私でも前日の夜にエッチな遊びをしているということがすぐに分かりました。
私は毎週そんなことをしている母を気持ち悪いと思い、娘として、そして同じ女としても恥ずかしいと強く感じていました。
そういった身内のエピソードから、性に対する嫌悪感や罪悪感が生まれてしまったのだろうと思います。また、のちに私の性癖を歪ませるきっかけとなってしまったのかも知れません。
その頃の私はエッチなことをしたり、考えたりすることはいけないことだと認識していながらも、体は思春期真っ盛りであるため、性の欲求を抑えることができず、レディコミのエッチな描写を見ながら自分で自分を慰めたりして、いつも虚しさを感じていました。
そして、高校生になって初めて男の人とセックスをしました。相手は知り合い程度の人でした。行為が終わって、さっき処女を喪失した分際でありながら、「セックスってこんなにつまらないものなのか…」とガッカリしながら帰ったのを覚えています。
その時も後ろめたさを感じていたので、初体験を済ませたことについては誰にも話さなかったし、その相手とは自分から距離を置いてしまいました。
そのようにエロをよくないことだと捉えていながら常に欲求不満であった私ですが、大学生のときにこのモヤモヤした気持ちをどうにか昇華したいと思いながら外を歩いていると、学校からの帰り道の途中にあるエッチなDVD屋さんの入口に「アルバイト募集」の紙が貼られていることに気が付きました。
こういったお店は男性しか雇ってもらえないと分かっていながら、「もしかしたらいけるかもしれない」と思い、勇気を出してお店に入りました。
カウンター内にスキンヘッドで銀縁メガネという強面のおじさんを見つけて、この人が店長だと思い込んだ私は、ここでアルバイトがしたいという旨を伝えました。
案の定、断られてしまいましたがどうしてもここしかないという思考にとらわれた私は、その後、何度も店に通い店長と思われるそのおじさんに自分の意志をぶつけました。
3回ほど店に行くと、おじさんは困った顔をしながら、「じゃあ、一週間以内に誰も応募して来なかったらいいよ」と言い出したので、「私ほどここで働きたい人なんて他にいないと思いますけどね」と偉そうなセリフを吐いて、電話番号と名前を伝えて帰りました。
「一週間待って」と言われながら、次の日に採用の電話がかかってきたので、やっぱり私の直感に間違いはなかったのだと確信しました。
約2年間そのお店でアルバイトをし、数年後には秋葉原にあるラムタラメディアワールドという大きなお店で広報の仕事に就きました。
エロに興味があるということを恥ずかしく思ったり、後ろめたさを感じていた私が得意分野の一つとして、仕事によってエロの魅力を世に広めることができるようになったのは、過去の自分と同じように虚しさを感じていたり、誰にも言えない秘密を抱えていたりするような人達の存在に気づき、救いたいという気持ちが心のどこかにあったからかも知れません。
のちにAVデビューし、女優として活動させていただいている現在の私はエロに関して妥協せず、どんどん追求し表現していきたいといった気持ちです。
私の作品を観てくださったり、以前書いていたAVレビューのコラムを読んでくださったりした方はご存知かと思いますが、私は普通のセックスよりも、変わったシチュエーションや、アブノーマルな行為に興奮するタイプの変態です。
本来なら隠したくなるような、そういった自分の性癖を露呈し、勇気を出してこの業界に飛び込んだことで、こうやってみなさまに堂々とお伝えできるようになりました。
それはこのような活動をしている私にみなさまが興味を持ってくださっているお陰だと思います。本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。
次回は私がAV女優として活動するなかで日々感じていることなどについて書いていこうかと思っています。お楽しみに!
生年月日:1996年12月10日
血液型:B型
身長:162cm
スリーサイズ:B86・W60・H90
出身地:福岡県
趣味:AV鑑賞
特技:書道
ツイッター:@ichika_mogami
(文:最上一花 協力:DiazGroup 構成:神楽坂文人)