いかに俺が興奮して相手が興奮するかっていう方が大事。他者はいなくなる。
—— そういえばこの間仕事でクンニの座談会したんですけど、30歳過ぎた頃からちょっとクンニにハマる人多いよねっていう話になったんですよ。
梁井 そうでしょうね。
—— それは相手の子に気持ちよくなって欲しいっていう優しさが出てくるからなのか、それとも女の子の股間に対する興味みたいなものかなと思ってるんですけど、どっちだと思いますか?
梁井 どっちもあるような気がするけど、間近で接したいってのもあるんじゃないですかね。女の子が今どういう状況なのかっていうのがどんどん知りたくなってくるんですよ。言葉だけじゃなくてもっと知りたい。それがクンニにたどり着くのかもしれないですね。
—— なるほど! 女の子でいうと一番わかりやすいのソコですもんね。
梁井 そうそう。そこに顔を近づけたくなるし、なんなら口をもっていきたくなるよね。でも最近手マンに目覚めたんですよ。
—— そういえば梁井さんが手マンしてるところはあんまり見たことないですね。
梁井 そう。今までは手マンを放棄してたんですよ。若い時のセックスで「それあんまり気持ちよくないよ」って女の子に言われたのが経験にあったと思うんだけど、それを鵜呑みにしてて。
—— それで手マンしなかったんですね。
梁井 「ガシガシ手マンは実は痛い」とかいう噂も聞くじゃないですか。そういう自分に都合のいいニュースばっかり蓄積して、手マンをないがしろにしてたんですけどね。最近は手マンをないがしろにしちゃいけないって思ってます。手マン楽しいし。
—— じゃあクンニから手マンになったんですか?
梁井 クンニの序列は下がってないけど、手マンも大事なものになってる。
—— 梁井さんのセックスって男の人から見ても野性みがあるし上手いと思うらしいんですけど、セックスしてる時に「俺他のやつよりセックス上手いな」って思わないですか?
梁井 思わない思わない。全っ然思わない。セックスしてる時にそういうこと思ったことないです。
—— でも女の子の反応を見て「他の男としてる時より俺としてる時の方がいいんじゃないか」って思うことはないですか?
梁井 思わないですね。「今までで何番目にいい?」とか聞くのは『テレクラキャノンボール』のルールだからやっただけで。そういう自意識が恥ずかしいっていうのもあるかも。いかに俺が興奮して相手が興奮するかっていう方が大事。他者はいなくなる。
—— そこなんじゃないですか?梁井さんのセックスがエモいのは。
梁井 確かに。「他者はいなくなる」って(笑)。
—— AVでのセックスって、一般的には男優さんが興奮してる姿とか声を出さないように作ってるけど、梁井さんの作品は2人が興奮してる所を記録してるっていう感じですよね。。
梁井 そういう撮り方になってきましたね。こだわりのエロっていうよりは、自分がその場にちゃんと興奮して、それを記録する。それも1つの答えだと思うんですよ。ちゃんと興奮できてる人がいるっていう。だから一応不安じゃなく世に出せるっていうか。
—— 男の人の興奮している姿も観れるという意味でも、普段AVを観ない女性にも見て欲しいですね。ハマジムの作品は。
梁井 女性に意外と向いてますよね。なんでだろう。女の子を置き去りにしないもんね。
—— そういう情熱的なセックスができない、女の子の心に近づけないセックスしてる男性にアドバイスないですか?
梁井 実はそういう場面にでくわすことがあって、男優さんにセックスをお願いする時に、ちゃんとできてない男を見た時にイライラするんですよね。
—— そういう時は男優さんにダメ出しとかします?
梁井 ダメってわかっててキャスティングしたり、そういう状況を作品を作る上で狙ってたりもするんですけどね。でも要は共感性が低いんですよね。女の子の心と体が今どうなってるかって察知する能力が低いんだと思います。わかるのは難しいけど、わかろうとするのが大事ですよね。
—— そうですよね。分かろうとするのが大事。
梁井 でもセックスをわかってる人としてコメントを求められるのは苦手なんですよ。実際にわかってないと思ってるし。ずっと知ろうとしてるっていうスタンスがちょうどいいなって思ってます。
—— ありがとうございました。今後は手マンのシーンにも期待してます!
AVの中ではあんなにエロくて女子受けの良さそうなセックスをしているのに、とても謙虚なところが印象的でした。自信過剰にならず女の子と向き合おうとする姿勢がエモいセックスの秘訣なのかもしれないですね。
余談ですが、インタビューの後にトイレで下着を下ろしたら、知らない間に濡れていてびっくりしました。
(テキスト:Betsy)