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【川上パイセンカウントダウン対談カウント0】カウントダウン対談最終回は女優、脚本家、そして川上なな実ドキュメンタリー映画の監督でもある灯敦生が登場!芸能界とAV界を繋ぐ夢の対談が実現!【後編】

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フットワークが軽いの。しかも、「一緒にやらない?」って言いたくなるし、それを即答で「やろう! やろう!」って言うから

川上 めちゃめちゃ興味を持ってくれているのが分かったから、「あっ! こういう子がいるんだな」と思って嬉しかった。それで、私も調子に乗って「ドキュメンタリーを自分で撮ろうと思っていたんだけど、一緒にやろうと思っていた人が飛んだ(いなくなる)んだよね。自分でも撮れるんだけど、ストリップのステージ映像は撮れないからさあ」って言ったんです。

 「やるよ! やるよ!」って言いました。

川上 そこで「次に会った時はカメラを回すか」って言って、去年の2月末から撮影を始めました。

――電撃的な出会いですね。

 そう! 全ての展開が早かった。

川上 フットワークが軽いの。しかも、「一緒にやらない?」って言いたくなるし、それを即答で「やろう! やろう!」って言うから。

 あまりになぁさんが面白いから撮りたくなるし、言葉も追いたいし。その時は私自身が動きの取りやすい時期でもあったので、タイミングもよかった。

川上 最初はカメラも使いこなせなかったんです(笑)。

――撮影で使ったカメラはいつもこの対談を撮影している川上さんのスマートフォンですか?

川上 これのみです。

――灯さんは脚本家なので台本を書くのが仕事ですが、ドキュメンタリー撮影の技法はあったんですか?

 全く分からないから、なぁさんと一緒に先輩方に聞きに行ったんです。誰に聞いても「構成を決めてから撮った方がいい」と言われたけど、当時から「それはちょっとな」と思っていて、ゼロからなぁさんを知るところから撮っているし、本当に行く先が分からない方がよかったので、構成は決めなかったです。
なぁさんは破天荒だからどうなるか分からないし、そこが魅力なので、観ている方にも奇想天外さが伝わるんじゃないかと、そこだけは諸先輩方の意見を聞かずに撮りました。結果、相当面白いことになっています。

川上 伸び伸びとやらせてもらっていたよ。

――名シーンは撮れましたか?

川上 事件しかなかったです。敦生が来る日はいいことも悪いことも事件が起こるんです。

 全部撮れているのがすごいよね。私は関係しているわけじゃないんですけど、偶然、なぁさんがおかしくなっている状況が撮れちゃうんです。

川上 ドキュメンタリー映画を撮るって決めてから、この映像には自分の中にある嘘の部分は残したくないという思いが強くて、カメラがあるとちょっと緊張はしますけどね。事件でいうと、AVの撮影現場を10年間で初めて飛ばしたこともありました。

 あそこは事件だね。

川上 この1年間は気持ちの変動がすごかった。

 でも、引退後も女優として行く道があるから、全て糧になっていた?

川上 そういう思いだけでやっていたけど、本当はネガティブ思考の方が多いタイプだから90%は「なんでこれをやらないといけないの?」って思いながらやっていた1年間です。でも、私はこの先もやりたいことがあるからという10%だけをモチベーションにやってきた。逆に敦生に聞きたいのは、いまの原動力は何かな?

 ないかも。現状が忙しすぎて、とにかくやるしかないだけ。以前は完全に、過去の自分と未来の自分のためにやってきた。高校生の時から脚本家になるのが夢で、大学1年生から脚本業をやってきて、ありとあらゆる映画の脚本を4、5本書いたの。
でも、撮影までいってもお金が回らなかったり、同じいくつかの制作会社で全部ポシャッた。そんな中、『病室で念仏を唱えないでください』というTBSドラマのスピンオフコンペの話をもらって、その第1話を脚本できたことで「やってきてよかった」って思った。そこからテレビ東京のドラマを3本続けて書かせていただけた。

川上 私の実家に撮影に来た時も締め切りが迫っているから寝ないで書いていたよね。浅草ロック座のゲネプロの撮影もカメラを回しながら脚本を書いていたし。あんなにしんどいの? 脚本家って。

 うーん、普通の脚本家はこのドキュメンタリー撮影をやっていないからね。歌も歌わないし、役者もやらないし、ラジオもやっていないし、私はやっていることが多すぎちゃうのかな。それこそ、これまで私に対して「ちょっとこれはなぁ」って思ったことはない?

川上 敦生に対しては感謝しかないし、きれいごとでもなんでもなくて、敦生はすごいと思っている! 年齢は関係なくて年上だと思っている。

 本当!? 超嬉しいです。

川上 私が年上なのに甘えちゃっているんです。今回の引退プロジェクトのメンバーともいろいろあったから、人と距離を置きたいって思ったこともあったんです。でも、その中で敦生だけは許してくれるだろうっていう気持ちがあったし甘えていたの。

 嬉しいなあ。

川上 敦生はなんでも受け止めてくれるし、敦生がしんどい時も優しく返してくれるし、人に対しての思いやりが誰に対してもあるから、百年生きた人みたいな魂なんです。こういう機会じゃないと言えなかったけれど、敦生に対しては「くそ~!」って思うことがなかった。

 ありがたいです。でも、私もなぁさんに対してはそう思っているよ。なぁさんはいろんな人に対して優しすぎるし、気を遣っちゃうから、たまに、本当は笑いたくないんじゃないか? と疑ってしまうこともある。カメラを回しているから、私がなぁさんにとって、どんな存在でいるのがベストなのかをずっと模索してきた。

川上 それはすごく感じた。

 自然体な表情を撮るのは大切だけど、近すぎて身内になっても違う。空気のような気にされない存在になるのも、人と関わる彼女を映す作品として合わないんじゃないか?と難しかったです。外部の方からは、良い画を撮りたければ、不和や、ケンカを吹っ掛けろと言われることもありました。
でも、そんな事件は私が起すより、もっと自然な登場人物と、その成り行きに任せたほうがいい。放っておいても、この人の周りには事件が次々起こるので(笑)。だからトラブルも煽らず、誰かに愚痴られても、平和的に返してしまいました。

川上 いまあらためてこのプロジェクトの人たちが爆発しないで、打ち上げまでこぎつけた理由が分かった。敦生が全部、浄化してくれていたんだ。

 いやあ、それはひとえになぁさんの頑張りですよ。

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